京都の和紙専門メーカーが創業100周年を迎え新たなパーパスを掲げる

京都市に本社を構える株式会社谷口松雄堂は、2025年10月に創業100周年を迎えます。この節目を祝うべく、同社は新たなパーパス「文化を敬い、未来へつなぐ。」を定め、その象徴として記念ロゴも発表しました。伝統の重みと革新を融合させ、次の世代に向けた意義を示す試みです。

和紙文化を創業から100年間支え続けた

谷口松雄堂は1925年に設立され、和紙製品の専門メーカーとして成長してきました。御朱印帳や和雑貨、そして贈答品など、日々の暮らしに「文化の手触り」を届ける製品を手がけてきた同社。特に近年においては、アニメーションや「推し活」といった現代のトレンドを取り入れた商品開発に注力し、さらに訪日外国人向けのギフトや土産品展開にも力を入れています。こうした進化を遂げる中でも、素材や品質、そして企業理念において常に一貫した価値を維持しています。

100周年を迎えるにあたっての思い

谷口松雄堂は、企業の根幹にある存在意義を改めて言語化し、「文化を敬い、未来へつなぐ。」という新たなパーパスを設定しました。このパーパスには、社員一人ひとりが文化に対する真面目な視点を持つことが根底にあります。休日には書道や寺社仏閣巡り、コミケ参加、社交ダンスといった多様な文化活動を楽しむ社員たちの姿が、商品やサービスの質を高める大きな要因となっています。

また、同社は公式SNSにて折り紙を使用した創作動画を発信し、和紙の持つ無限の可能性を広く伝えています。さらに、神職とのコラボレーションによるブログ連載では「神と紙」にまつわる深い話や、寺社を訪れる楽しさを伝えるコンテンツを提供し、文化との接点を増やす努力をしています。

記念ロゴに込められた意味

発表された100周年記念ロゴは、縁起の良い七宝柄をモチーフとし、右肩上がりの繁栄を表現しています。これは「ご縁」や「調和」、「繁栄」を象徴し、谷口松雄堂の企業理念を視覚的に具現化しています。コーポレートカラーの深い紺色は本物と信頼を象徴し、デザインは落ち着きと品格を持ったブランドイメージを強調しています。

新たな100年への挑戦

今後、谷口松雄堂では伝統の和紙文化を基盤にしながら、世代を越えて共感される新しい価値を生み出すことを目指していきます。特に、文化及び観光の領域での製品開発と情報発信を通じて、多様な国内感性にアプローチする「和のかたち」を提案するブランドとして成長していく計画です。

2026年9月までの間は100周年イヤーと設定し、多彩な記念事業を展開する予定です。これからの100年も、次世代へ向けて文化を継承し続ける谷口松雄堂に期待が高まります。