上野アメ横に新たな木造ビル「御徒町計画」が誕生!
2024年11月、東京都台東区の上野アメ横近辺に株式会社シェルターが手掛ける「御徒町計画」が着工される予定です。この計画は、53年以上の歴史を持つ既存の鉄骨造の建物を木造3階建ての純木造ビルへと生まれ変わらせるものです。
プロジェクトは、ただの建物建設にとどまらず、環境に優しく、地域の活性化にも寄与することを目指しています。木をふんだんに使用したこのビルは、人と自然に優しい「木造都市」を全国に示す新たな試みとなるでしょう。
創造的なデザインと先進技術の融合
御徒町計画のデザインは、南側と東側を全面ガラス張りにすることで、木のぬくもりとともに御徒町駅前や商店街の賑わいを感じられる空間を演出します。この木造ビルには、株式会社シェルターが開発した接合金物工法「KES構法」と木質耐火部材「COOL WOOD」が採用され、耐震性や耐久性、さらには耐火性を確保。これにより、安全で安心な建物が提供されるのです。
地域活性化と環境保護を両立
台東区では「倒れないまちづくり」や「燃えないまちづくり」を掲げており、今回の御徒町計画はこの方針にも合致しています。数年前から進められている法整備によって、木材の活用促進が進む中で、本プロジェクトは地域のモデルケースとなることが期待されています。「御徒町計画」で使用される木材は約28㎥、これは二酸化炭素22tを貯蔵する量に相当し、スギの木で例えると約43本分の貯蔵量です。
「マチ森」の理念で木造化を進める
さらに、工事現場には「アメ横」のアーチデザインを基にした養生シートが掲出され、その上に「マチ森」というコーポレートメッセージが施されています。この「マチ森」は、都市に森林のような空間を造り出すという意味を持ち、本計画が木造建築の普及へとつながることを期待しています。
本プロジェクトの施工は2024年11月から2025年5月までのスケジュールで進められ、この新しい木造ビルが誕生することで、地域経済が活性化し、訪れる人々に新たな体験を提供できることを期待しています。
構造および企業情報
御徒町計画の詳細な構造は以下の通りです。
- - 敷地面積: 47.92㎡
- - 建築面積: 36.07㎡
- - 延床面積: 106.25㎡
- - 階数: 地上3階
- - 最高高さ: 9.97m
- - 用途: 物販
- - 防火指定: 防火地域
このプロジェクトは、株式会社シェルターが主導しており、代表取締役社長は木村仁大氏が務めています。同社は木質構造部材の研究・設計・製造・販売を行っており、持続可能な社会に向けて建築物の木材利用を進めています。
以上のような「御徒町計画」は、上野アメ横地区に新しい風を吹き込み、地域のみならず国全体の木造建築推進の良い例となることでしょう。2050年に向けたカーボンニュートラルの実現へ向け、重要な一歩を踏み出すプロジェクトと言えます。