奥入瀬渓流ホテルが提供する新たな学びの場
青森県の美しい自然を舞台にした地域学習が、2025年6月5日に行われました。場所は「奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート」。ここでは、十和田市立第一中学校の1年生、全13名を迎え、地元の自然や文化を学ぶ「ふるさと学習」が初めて開催されました。
ふるさと学習の背景
地域の歴史や産業、伝統文化を次世代に伝えるため、第一中学校では全学年を通じて毎年ふるさと学習を行っています。今年のテーマは「奥入瀬渓流」。生徒たちは、渓流について深く学ぶ機会を得て、自然環境への理解を深めることを目指しました。
渓流コンシェルジュによるガイド
この特別な学びの場では、渓流コンシェルジュと呼ばれる専門家が生徒たちを導きました。彼らは奥入瀬渓流の自然環境や地域資源について、熱心に教示しました。活動には「苔さんぽ」「渓流オープンバスツアー」「こけ玉作り体験」が含まれ、生徒たちは身近な自然の中で新たな発見を重ねました。
苔さんぽ
まず始まった「苔さんぽ」では、奥入瀬渓流に生息する約300種類の苔を観察しました。名所「白銀の流れ」を訪れた生徒たちは、苔の手触りや形状の違いを感じ取りながら、自然の構造の奥深さを学びました。彼らは渓流コンシェルジュから、「奥入瀬渓流は全国的にも訪れる価値がある」というメッセージを受け取り、地域の自然に対する愛着を育んでいました。
渓流オープンバスツアー
次に生徒たちは、開放的なバスに乗る「渓流オープンバスツアー」に参加しました。このツアーは通常の視点とは異なり、鳥や蝶の目線から自然を観察することができる特別な体験です。彼らは新緑の木々や川の流れを楽しみながら、普段の生活では見逃してしまう視点の重要性に気づくことができました。
こけ玉作り体験
最後に、苔の魅力を十分に感じながら「こけ玉作り体験」に取り組みました。この体験では、奥入瀬に点在する苔むした岩を模して、各自の感性を活かしてこけ玉を制作しました。学んだ苔の種類や生態を思い出しながら、彼らは手を動かし、自然の一部と触れ合いました。
参加生徒の声
参加した生徒の一人、滝内心絆さんは「以前来た時はただ見ていただけだったが、渓流コンシェルジュの説明を受けながら見ることで、初めて色々な苔の種類や植物に気づいた。新たな発見があった」と感想を語りました。
教職員の反応
第一中学校の三浦真理教諭も「近くに住んでいるからこそ、奥入瀬渓流の魅力を当たり前に感じてしまうが、今回の授業で改めてその素晴らしさを再認識できた。」と述べました。
渓流コンシェルジュの思い
この取り組みに参加した渓流コンシェルジュの小林信輔さんは、生徒たちが自然に触れ、驚きや学びを得た姿を見ることができることに大きな意義を感じたと振り返りました。また、四季折々の奥入瀬を体験する学びの場が今後も必要だと語りました。
まとめ
このふるさと学習は、地域の自然環境を深く理解し、地元への愛着を育む貴重な機会となりました。奥入瀬渓流の自然と共に生活することの大切さを感じることができたこの体験は、今後他の学生たちにも引き継がれることでしょう。