現在のビジネスにおける管理職の育成課題を探る調査結果
経理業務に特化した請求書クラウド「ClimberCloud」を提供している株式会社NTTデータビジネスブレインズ(以下、NTTデータビジネスブレインズ)は、経理部門の実務担当者221名を対象に、部下の育成に関するアンケートを実施しました。この調査からは、現代のビジネス環境で管理職が直面している育成課題が明らかになりました。
調査の背景
昨今、ビジネスのデジタル化とグローバル化が進んでいる中、企業は変化の波に対応する必要があります。中核を担う若手や中堅社員の能力開発が求められており、効果的な業務プロセスの効率化も求められます。調査の目的は、部下の育成がどれほどの課題となっているかを理解することです。
アンケートの結果
1. 育成方針や戦略の認識
調査結果によると、若手・中堅社員の育成に関して「何らかの方針や戦略がある」と答えた管理職は、合わせて約88%に達しました。しかし、そのうち「一部ある」との回答が約60%を占めており、これは育成の取り組みが体系的に行われていないことを示唆しています。
2. 属人化解消への取り組み
業務の属人化解消については、実施していると回答したのは約87%にのぼりましたが、積極的に行っているとの回答は26.7%にとどまりました。どちらかと言えば行っていると回答した約59%は、取り組みが不十分であることを示しています。属人化解消の遅れは、業務の効率や品質に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
3. モチベーションと育成に関する悩み
若手・中堅社員のモチベーションについては、81%の管理職が高く評価すると回答しました。一方で、部下の育成に悩みを抱えていると答えた管理職は88.2%と、圧倒的多数となりました。この高い悩みの認識は、育成支援の強化が急務であることを示しています。
4. 学習意欲の低さ
育成に関する大きな悩みは「学習意欲の低さ」であり、43.1%の管理職がこの課題を挙げました。これは、部下が業務には意欲的でも自己成長やスキルアップに対する意識が低いことを意味します。このことから、育成に関する基準や評価が業務遂行能力に偏っている可能性が見えてきます。
5. 新人研修の現状
新人研修については、65.5%の管理職が何らかのプログラムを持っていると認識していますが、その内容が断片的であることが指摘されています。育成の初期段階から組織文化や業務に適応できないリスクが存在し、それが後の育成課題につながります。
6. デジタルスキルの現状
部下のデジタルスキルについては、多くの管理職が「十分」と回答している一方で、「さらなる向上が必要」との回答は約89%にのぼりました。この認識の差は、現在の業務には問題ないが、今後の業務効率化やDXに向けてのスキルが不足していると考えられます。
課題のまとめ
この調査を通して、多くの組織が直面する育成、デジタルスキル向上、業務の属人化解消といった構造的課題が明らかになりました。
特に、約9割の管理職が育成に悩んでいるという事実は、組織全体の生産性や競争力に直結する重要な経営課題です。部下の成長を支援する体系的かつ戦略的な取り組みが必要不可欠であり、特に学習意欲の向上やOJTの見直しが必要です。これらの課題の解決は、従業員の能力を最大限に引き出し、変化の激しいビジネス環境において組織が持続可能な成長を遂げる鍵と言えるでしょう。