リベリアの女性たちが紡ぐ未来の社会とは？持続可能な革新を探る

リベリアの女性たちが紡ぐ未来の社会とは？

リベリア共和国は西アフリカに位置し、1847年に解放されたアフリカ系アメリカ人を中心に建国されたアフリカ最古の共和国です。この国の首都モンロビアにはアメリカ文化の影響を残しつつ、約16の民族が共存しています。そのため、リベリアは多様な言語や宗教、文化が息づく場所でもあります。国土の多くは熱帯雨林に覆われ、農林業や鉱業が基幹産業となっており、生物多様性の保護にも努めています。

特筆すべきは、2006年にエレン・ジョンソン・サーリーフ氏がアフリカ初の女性大統領として就任したことです。これにより、リベリアにおける女性の社会参画や若者のエンパワーメントが進展し、現在のジョセフ・ニュマ・ボアカイ大統領が提唱するARREST政策（農業、道路、法の支配、教育、衛生、観光を重視）が実施されています。

大阪・関西万博のリベリアパビリオン

2025年に開催される大阪・関西万博において、リベリアは「創造的イノベーションへの投資」と「男女平等」をテーマに掲げ、持続可能な未来社会の実現を目指しています。リベリア共和国パビリオンのコミッショナージェネラルであるMs. Queen Juli Endee氏は、展示を通じてリベリアの文化と女性の役割を強調しています。

森林の豊かさを示すオブジェ

パビリオンの入口では、西アフリカの熱帯雨林を象徴する木彫りの野生動物が展示され、その迫力ある姿勢で訪問者を迎えます。リベリアはこの森林の43%を占めており、独自の生態系が育まれています。展示の奥では、観光業や農業、鉄鉱業の情報がデジタルメディアで紹介されており、リベリアの資源を戦略的に発信しています。

女性の木彫り像

中央には、リベリア各民族の仮面が展示されており、そのデザインの多様性が来場者に強い印象を与えます。特に印象的なのは「男女の影」像で、男女が平等に教育を受ける社会への転機を象徴しています。Ms. Queen Juli Endee氏は、「木彫りの女性像には、リベリアの女性たちが支えてきた地域社会の強さが映し出されています」と語ります。彼女は、リベリアにおける女性の地位向上を実現するために重要な役割を果たしています。

リベリアでは、内戦の影響もあり、女性たちが家計を支えたり地域社会をまとめたりする役割を果たしてきました。1994年には女性弁護士協会が設立され、以来、女性の権利が強く意識されるようになっています。また、内戦終結に向けた非暴力の平和運動は、女性たちの団結を促しました。

政府の女性参画推進活動

リベリア政府は、女性の社会参画を進めるための政策を加速しています。2009年に制定された国家ジェンダー政策や、脆弱な立場にある人々を支援するための省の設立はその一環です。Ms. Endee氏は「国際的な女性会議をきっかけに、女性の社会進出が促進されています」と述べ、さらなる進展を期待しています。

国際女性フォーラムも開催され、世界中の女性たちが意見交換を行い、包摂性や女性の権利保護の重要性を再確認しています。

日本への印象

今回が初めての来日となるMs. Endee氏は、日本の人々の謙虚さや衛生状態に好感を持ったと話しています。「日本で見た先進的な技術の中には、自国に取り入れたいものが多くあります。非常に学びの多い経験です」と彼女は語りました。

リベリアパビリオンは、このような社会的側面からリベリアの革新や男女平等について強いメッセージを発信し、未来に向けた希望を来場者に伝えています。自国の自然、産業、文化、人々の力を結集させながら、持続可能な社会のビジョンを描くリベリアの姿勢は、多くの人々にインスピレーションを与えることでしょう。