三菱重工サーマルシステムズ、2024年度省エネ大賞を受賞
2024年度の省エネ大賞で、三菱重工サーマルシステムズが「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。この賞は、同社がいすゞ自動車と共同開発した電動冷凍冷蔵車「エルフEV+TEJ35AM」に与えられたものです。
この受賞は、環境負荷を低減しながら、エネルギー効率を高める優れた取り組みが評価された結果です。表彰式は1月29日に都内で行われ、多くの注目を集めました。
エルフEV+TEJ35AMの詳しい特長
今回受賞した「エルフEV+TEJ35AM」は、いすゞ自動車の電動トラック「エルフEV」と、三菱重工サーマルシステムズの電動式輸送用冷凍ユニット「TEJ35AM」を組み合わせた冷凍冷蔵車です。
環境に優しい運搬システム
この電動冷凍冷蔵車は、EVと冷凍ユニットが同じバッテリーから電力を共有することで、庫内温度を安定させることができます。これにより、二酸化炭素の排出を抑えつつ、エネルギーを効率的に使う運搬が実現しました。
従来の冷凍冷蔵車と比較して、エネルギー消費は年間平均21.3%、CO2排出量は46.1%減少し、エネルギーコストも42.2%削減されています。この結果は、今後の脱炭素推進とエネルギーコスト削減に大きく貢献することでしょう。
高効率な温度管理
TEJ35AMは、ヒートポンプ技術を採用しており、加温と冷却の両方の機能を高効率で利用できます。これにより、様々な温度帯の商品を同時に輸送しなければならない場面でも柔軟に対応することが可能です。また、EVの運転状態に関係なく冷凍ユニットを運転できるため、庫内温度を常に安定に保つことができます。
これにより、ドライバーは荷室の温度管理やバッテリー残量の確認を負担に感じることなく、運転に集中できる環境が整います。
今後の展望
三菱重工サーマルシステムズは、今回の受賞を契機として、さらなるCO2削減と省エネ技術の開発に努めることを表明しています。その中には、他の様々な事業分野でもエネルギー効率の向上を目指す取り組みが含まれています。
例えば、各種プラントでのエネルギー管理、大型冷凍機による空調システム、カーエアコン事業など、幅広い領域での技術融合によるソリューション提供を進めていく方針です。これにより、顧客の期待に応える最適化されたサーマルソリューションを実現することができるでしょう。
2024年度の省エネ大賞受賞は、持続可能な未来に向けた確かな一歩です。今後の三菱重工サーマルシステムズの活躍に、ますます目が離せません。