PKSHAと東北大学の共同研究
株式会社PKSHA Technologyは、東北大学言語AI研究センターと共同で行った「認知スタイル」が説得対話に与える影響に関する研究成果を発表しました。本研究は、2026年6月8日から12日まで開催される人工知能学会全国大会(JSAI2026)での発表が予定されています。
研究の背景
近年、大規模言語モデル(LLM)の発展に伴い、人間との対話を通じた意思決定への影響を考察する「説得対話」が注目を集めています。その際、対話相手の反応をシミュレーションするAI(ユーザシミュレータ)の役割が重要となります。しかし、従来の研究では主に性格特性に焦点が当てられていたため、相手の情報受容方法や判断傾向、すなわち認知スタイルの影響は十分に解明されていませんでした。
研究の概要
本研究では、認知スタイルを考慮したユーザシミュレータの分析を行いました。特に注目されたのは、認知欲求、認知的完結欲求、最大化傾向という三つの特性です。これにより、実在の人物データを用いて、認知スタイルが対話行動にどのような変化をもたらすかを検証しました。
研究成果
研究の結果、多くの重要な発見がありました。具体的には、以下のような点が確認されました。
1.
対話行動の変化:シミュレーション内で条件や根拠を吟味する発話傾向が見られ、対話の進行にも変化がありました。
2.
受け入れ判断の変化:相手が条件を満たすことで説得内容を受け入れる割合が増加しました。
3.
認知スタイルと対話行動の関係:認知スタイルの強度と発話傾向に顕著な相関が確認されました。
これらの発見は、AIによる対話シミュレーションにおいて、認知スタイルが重要な要素であることを示しています。
今後の展望
PKSHAは、得られた知見を同社の対話AIソリューションに応用し、様々な認知スタイルに基づいた対話内容や提示方法の事前検証を行うことで、対話設計や評価の質を向上させることを目指します。将来的には、より多様な認知的、社会的特性の研究を深め、実際の環境での評価も進める予定です。
人工知能学会全国大会(JSAI2026)について
JSAI2026は、人工知能学会が主催する日本国内最大規模のAI関連の研究大会であり、さまざまな分野から最新の研究情報が集まります。今年の大会は群馬県高崎市にて開催され、対話AIや認知スタイルに関する発表が期待されます。
本研究が今後のAI開発や対話システムに与える影響に注目が集まる中、PKSHAと東北大学は引き続き、社会に寄与するAI技術の実現を追求していくことでしょう。