国際教育の現状と課題
2016-01-29 20:35:03
日本の学校における国際教育の現状と課題:グローバル化に対応する教育改革の取り組み
日本の学校における国際教育の現状と課題:グローバル化に対応する教育改革の取り組み
グローバル化が加速する現代において、日本の学校教育は大きな変革期を迎えています。2020年の大学入試改革を機に、知識詰め込み型教育からの脱却、国際社会で活躍できる人材育成が強く求められています。
本記事では、特定非営利活動法人日本国際交流振興会(JFIE)が実施したアンケート調査(2015年4月1日~4月25日、全国の小中高校2409校対象、回収率約10%、回答321校)の結果を基に、日本の学校における国際教育の現状と課題を分析します。
国際教育活動の実施状況
調査によると、回答校の約8割が国際的な教育活動を実施しており、さらに約9割がその継続意向を示しました。公立校と私立校を比較すると、私立校の方が国際教育活動への関与度が高い傾向が見られました。
海外研修の実施状況
正課における海外研修の実施率は約4割で、私立校の方が公立校よりも高い割合を示しました。課外活動として海外研修を実施している学校は約半数にのぼります。研修期間は短期(数週間~数ヶ月)が中心で、長期留学はまだ少ないのが現状です。
英語教育体制
英語ネイティブ教員の数は、公立校平均2.2人、私立校平均2.44人でした。留学担当教員の配置率は約6割と、多くの学校で留学サポート体制が整っていることが分かります。しかし、英語ネイティブ教員の数の減少傾向については、回答校の約8割が「変わらない」と回答しており、現状維持が課題となっています。
留学制度と進学実績
留学時の単位認定制度は、回答校の約6割が導入しており、公立校の方が私立校よりも高い割合を示しました。海外大学への進学実績は全体の約4割で、私立校の方が公立校を大きく上回りました。この差は、私立校の積極的な国際教育活動や留学サポート体制によると考えられます。
課題と展望
本調査の結果から、日本の学校における国際教育は一定の進展を見せているものの、課題も多く存在することが明らかになりました。特に、長期留学の促進、英語教育の質向上、そして公立校における国際教育の更なる充実が求められます。
JFIEの取り組み
JFIEは、海外高校生を受け入れるプログラムを実施し、異文化交流を通して国際理解を促進しています。このプログラムは、日本の家庭や地域社会における国際教育に貢献するだけでなく、海外の高校生にとっても貴重な学習機会を提供しています。
まとめ
日本の学校教育は、グローバル化に対応した改革を進めていますが、国際教育の充実には更なる努力が必要です。政府、教育機関、そして地域社会全体が連携し、国際的な視野を持つ人材育成に取り組むことが重要です。今後、長期留学プログラムの拡大や、質の高い英語教育の提供、そして国際教育を推進する教員の育成などが、重要な課題となるでしょう。
調査対象校の地域分布は、関東甲信越が最も高く(32.7%)、次いで北海道・東北(16.5%)、関西(16.5%)となっています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社アイエスエイ
- 住所
- 東京都港区港南1-6-41芝浦クリスタル品川10F
- 電話番号
-
03-5463-7541