未来を変える腸内革命 - HEM Pharma Japanの取り組み
2025年8月21日、株式会社HEM Pharma Japan(以下、HEM Pharma)は、渋谷ソラスタコンファレンスにおいて、報道関係者向けに「未来を変える腸内革命 ― パーソナライズド・マイクロバイオームによる健康寿命の鍵」というメディアラウンドテーブルを開催しました。このイベントでは、HEM Pharmaが設立された背景やビジョン、さらにはマイクロバイオームを基盤とした新しいヘルスケアの提供について詳しく議論されました。
HEM Pharmaの設立背景と企業ビジョン
HEM Pharmaは、特にマイクロバイオーム技術の応用を通じて健康分野に革新をもたらすことを目指しています。代表取締役のチ・ヨセフ氏は、「我々はこの分野におけるトータルソリューションを提供するリーディング企業となることを目指します」と熱弁しました。この言葉には、腸内環境の研究の重要性と健康業界の変革をもたらしたいという強い意志が込められています。
特別講演: マイクロバイオームの秘密
イベントの中で、韓国の建国大学医学部の助教授、キム・ジュウォン博士が『私の体の中のもう一人の私』というタイトルで講演を行いました。彼は、マイクロバイオームが健康寿命の延伸、つまりより良い生活を実現するための重要な要素であると強調しました。
「マイクロバイオームとは、体内外に存在する微生物、遺伝子、機能を含む集合体であり、栄養代謝や免疫調整に大きな影響を与えます」と彼は語りました。
キム博士は、腸内細菌が個人間でわずか10%しか一致しないことを強調し、生活習慣による影響を訴えました。すなわち、一人一人に個別化されたアプローチが必要であることを明確にしました。
データ確保の課題と新たな可能性
その後、チ代表とキム博士による対談が行われ、マイクロバイオームデータの確保に関する課題が浮き彫りになりました。データの信頼性を確保するためについには標準化されたサンプルの収集が不可欠であるという話もされました。特に便サンプルの収集は多くの要因に左右されるため、非常に難しいのが現状です。
チ代表は「HEM Pharmaでは、腸内微生物のゲノム情報だけでなく、その機能に関するメタボロームデータも収集します」と述べ、データの重要性を解説しました。これにより、医療が「治療中心」から「予測・予防中心」へと向かう可能性が開かれると示唆しました。
核心技術「PMAS」についての解説
HEM Pharmaの中核となる技術、PMAS(Personalized Pharmaceutical Meta-Analytical Screening)についても語られました。この技術は、腸内環境を体外で人工的に再現できる世界唯一のプラットフォームとして、マイクロバイオームの機能を精密に検証します。これにより、腸内環境に応じた最適なプロバイオティクス製品を提供することが可能となります。
チ代表は、PMASを通じて153,000件以上のサンプルデータを取得してきたことも強調しました。日本での展開に関しては、アムウェイとの協業により、迅速なデータ収集とフィードバックの体制を確立していく意向を明言しました。
日本アムウェイの協業について
最後に、アムウェイ合同会社のイリーナ・メンシコヴァ社長が登壇し、HEM Pharmaとの協業の意義について語りました。彼女は「腸の健康を含むウェルネス領域で、お客様に対してより高い付加価値を提供することができると考えています」と述べ、高齢化社会における健康寿命の重要性を訴えました。
このように、HEM Pharma Japanは未来のヘルスケアに向けた重要な一歩を踏み出しています。個性に合わせた腸内環境の改善や、健康寿命の延伸は私たちの生活をより豊かにする可能性を秘めています。今後の動きに注目したいところです。