参加型リノベーションの新たな可能性
千葉県市川市に位置する合同会社つみき設計施工社が、初エントリーで「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」の総合グランプリを獲得したニュースが、DIY愛好家たちの注目を集めています。このプロジェクトは、1971年に初登場した工業化住宅「セキスイハイムM1」を基にしたリノベーション作品「人間は、つくることをやめない」によるものです。施工は、専門家が基本性能を整えた後、住まい手家族と100人以上の仲間たちがDIYで担いました。
部分的なDIYから参加型へ
リノベーションの特徴は、単なる完成品としての応募作品が多い中で「ともに作り上げる」プロセスを重視している点です。このプロジェクトでは、DIYを通じて家族や友人との関係を深めながら、住まいを再構築していきました。施工中のワークショップや共同作業では、参加者がとは何度も手を加え、それぞれの思いを反映させた住空間が誕生しました。完成した内装や家具は、住まい手の個性が色濃く表れており、「家が笑っている」と表現されるほどの楽しさが感じられます。
工業化住宅と住まい手の関係
セキスイハイムM1は、安定した品質や短工期、低コストを実現した画期的な工業化住宅として知られています。しかし、この住宅が普及する過程で、住まい手の関与が徐々に失われ、「完成品」として扱われるようになりました。このプロジェクトは、M1の本来の目的—住まい手が自由に意味を与える「余白」としての側面—を再度呼び起こす試みとして高く評価されています。
DIYの重要性と未来
DIYによる参加型リノベーションが増えていくことで、住宅業界に新たな風を吹き込む可能性があります。建築コストの高騰や職人不足が叫ばれる現代において、住まい手が主体的に関わることで、ただの利便性にとどまらず、住まいに情感を与える重要な役割を果たすでしょう。審査員からも「本作のグランプリ受賞が、DIY復権のきっかけになることを願う」とのコメントが寄せられました。
つみき設計施工社の今後の展望
つみき設計施工社は、2010年から参加型リノベーションを専門に手掛けてきました。今後も全国の住まい手と共に、参加型リノベーションを広め、DIYの価値を高めていくことが彼らの使命です。これからますます注目が集まるプロジェクトとなるでしょう。
受賞の概要
- - アワード名: リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025
- - 受賞内容: 総合グランプリ
- - 受賞作品名: 人間は、つくることをやめない
- - 主催: 一般社団法人リノベーション協議会
- - 公式サイト: リノベーション協議会
会社概要
- - 会社名: 合同会社つみき設計施工社
- - 共同代表: 河野直・河野桃子
- - 創業: 2010年
- - 所在地: 千葉県市川市南大野
- - 事業内容: 参加型リノベーションの設計・施工、DIYワークショップの企画・運営
- - Web: つみき設計施工社
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