オリィ研究所とくらしアプライアンス社、障害者人材による社内インタビューの実証実験を開始
株式会社オリィ研究所とパナソニック株式会社のくらしアプライアンス社は、新たな取り組みとして「障害への理解を深めるための障害者人材による社内インタビュー実証実験」をスタートしました。これは、障害者雇用促進の重要性が増す中、実社会において障害者が活躍できる環境を整備しようという試みです。
背景
昨年の法定雇用率の改定以降、企業は障害者雇用の比率を増やすことが求められています。しかし、法定雇用率を達成していない企業が多いのが現状であり、特に無雇用の企業は依然として高い割合を占めています。特に57.6%の企業は障害者を一人も雇用していません。これらの問題の根本には、企業が障害者雇用に対する理解不足があることがあります。
このため、オリィ研究所とくらしアプライアンス社は、社内インタビューを通じて障害者人材のキャリア形成や成長機会を広げることを目的に、実証実験を実施することを決定しました。
実証実験の内容
この実証実験は2025年11月から3ヶ月間にわたり、くらしアプライアンス社の社員紹介記事の作成を障害者人材が行います。具体的には、社員インタビューを実施し、その内容を基に記事を執筆します。この際、オリィ研究所では、分身ロボット「OriHime」やビデオ会議システム、チャットツールなどを活用し、障害があってもスムーズに業務を遂行できる仕組みを整えます。
くらしアプライアンス社は、インタビュー対象として社内の社員を選出し、また、出来上がった記事は社内ポータルサイトを介して社員に公開され、フィードバックを受ける機会も設けられます。
期待される効果
本実証実験を通じて、障害者が取材や執筆という具体的な業務に従事することで、自身の能力を発揮できるフィールドを広げられることが期待されています。また、社内コミュニケーションが活性化されることによって、社員全体の障害者雇用に対する理解が向上し、より多様性のある職場環境が実現するでしょう。
さらに、この取り組みは、障害者雇用に対する偏見を減らすだけでなく、障害者が持つ能力を企業が正当に評価する機会を創出します。
各主体の役割
オリィ研究所は、業務の遂行が可能となる仕組みを构築し、記事の執筆に対する支援を行います。また、実証実験の成果を社外に発信することで、他企業への普及を促します。一方の、くらしアプライアンス社は、取材環境を提供し、執筆記事を社内で公開する役割を果たします。双方の協力が、障害者雇用の未来を切り拓く鍵となるでしょう。
この実証実験が、障害者雇用の進展に寄与することを期待しつつ、今後の成果にも注目したいと思います。