2025年5月の住宅ローン金利と中古マンション市場
2025年5月、住宅ローン金利が変動し、特に変動金利が上昇した一方で、10年固定及び全期間固定金利は低下しました。この動向は中古マンション市場にどのような影響を与えているのでしょうか。マンションリサーチ株式会社の淡河範明氏に話を伺い、住宅ローン金利の推移と中古マンション市場の現在の状況について詳しく見ていきます。
中古マンション市場の状況
マンションリサーチ株式会社は、東京都内の中古マンション市場の動向を注視しています。住宅ローン金利が変動する中、東京都23区内の一般向け中古マンションの「販売日数」や「値下げ回数」にも影響が見られます。販売日数が延びると購入需要が低下することを示しており、逆に値下げ回数が少ないと売却の姿勢が強気であることを示しています。
グラフによれば、販売日数は横ばいのままですが、値下げ回数は減少しています。これは、変動金利の微増と固定金利の減少が相まって、需要が相対的に高まったことが要因と考えられます。
変動金利の動向と影響
2025年5月の変動金利は0.855%と、前月比でのわずかな上昇が見られますが、全体としては安定した金利の設定が続いています。特に、SBI新生銀行やソニー銀行が一時的に金利を引き上げたものの、この影響でランキングが変動し、他行との差が生まれました。これにより市場では金利競争が激化しているものの、トランプ大統領の関税政策の影響などもあり、日銀が利上げを見送る見通しが広がっています。
今後は変動金利が狭い範囲で推移することが予想されます。これにより、住宅購入を希望する人々には相対的な安定感が生まれるかもしれません。
10年固定金利の現状
10年固定金利については、注目度が以前に比べて低下してきています。特に全期間固定型ローンの普及に伴い、引き続き10年固定が主力商品として扱われる銀行もあるものの、今後の動向が懸念されています。2025年4月の国債金利の影響を受け、10年固定金利は大幅に低下しましたが、依然として高水準です。今月はほぼ全ての金融機関が金利を引き下げており、これは市場の競争が影響していると考えられます。
全期間固定金利の動向
全期間固定金利については、変動金利に比べて高いとされていたため敬遠されていましたが、最近では少しずつ選択されるケースが増加しています。特にフラット35では、基準金利の引き下げが行われ、他の選択肢に優位性が生まれています。しかし、依然として多くの利用者は変動金利選択を続けています。今後は「ミックスプラン」を選ぶ人々が増える可能性がありますが、その動向には注視が必要です。
今後の見通し
今後の住宅ローン金利については、変動金利と同様に明確な方向性が不明ですが、数ヶ月の安定した期間の後には再度動きが出てくる可能性が考えられます。特に景気や物価・賃金など外部要因が影響し合う中で、慎重な判断が求められます。
住宅ローン金利の変化は、不動産市場全体に多大な影響を及ぼすため、これからの動向に常に注視していく必要があります。マンションリサーチ株式会社は、これからもデータ分析を通じて市場を見守り、顧客のニーズに応えていく所存です。