AI予測分析による架電業務の効率化
AI CROSS株式会社は、ヴェリタス・インベストメントと協力し、AI予測分析サービス「Deep Predictor」を利用した実証実験を行いました。この実験の目的は、不動産業界における電話営業業務の効率を大幅に向上させることです。
近年の架電業務の問題
不動産業界では、膨大な顧客リストに対するアウトバウンドコールが日常的に行われていますが、これには高い労力と時間が求められます。さらに、その効果は必ずしも高くないため、営業効率の向上が急務となっています。特に、ヴェリタス・インベストメントでは、数千件の顧客に対する定期的なフォローアップが必要でしたが、これが大きな負担となっていました。
AIを活用した解決策
そこで、AI CROSSが開発した「Deep Predictor」というAI予測分析サービスが導入されました。このサービスは過去の架電履歴を学習し、次回の架電時に電話に出る可能性が高い顧客を特定し、ランキング付けを行うことで、架電リストの優先度を明確にします。これにより、無駄な架電を削減し、効率的に顧客にアプローチできるようになります。
実証実験の内容と成果
実証実験は、2024年の6月から7月にかけて行われ、具体的には以下のような内容でした。
顧客リストを基に、従来の方法で無作為に選ばれた架電リストと、AIが電話に出る確率の高い顧客をランキング付けした架電リストの2つを作成しました。そして、各リストに対してABテスト形式で架電を実施し、効果を測定しました。対象は約500件の顧客リストです。
実験の結果、従来の架電リストの電話応答率は7.1%でしたが、AIによるランキング付けを行った架電リストでは29.8%に改善され、驚くべき約4.2倍の効果が確認されました。この結果は、AIが架電業務においていかに役立つかを示しています。
AIによる今後の展望
今回の取り組みにより、既存顧客リストから電話に出る可能性の高い顧客を特定できることが実証されました。今後は、メッセージングサービスとAIを連携させることで、さらなるデジタルトランスフォーメーションを推進し、架電業務のさらなる最適化を目指します。
企業情報
株式会社ヴェリタス・インベストメント
不動産ディベロップメント事業を展開し、デザイナーズマンションの販売を主軸としています。設立は2008年で、東京都渋谷区に本社を置き、数々のハイセンスな物件開発を行っています。
- - 代表者:川田 秀樹
- - 所在地:東京都渋谷区道玄坂1-12-1
- - 公式サイト
AI CROSS株式会社
2015年に創業し、主にAIを活用したコミュニケーションサービスの提供を行っています。企業の生産性向上を目指し、業務の効率化に取り組んでいます。
- - 代表者:原田 典子
- - 所在地:東京都港区虎ノ門4丁目3番1号
- - 公式サイト
今後もAI技術の進化による業務効率化の取り組みが、不動産業界において広がっていくことが期待されます。