SHONAIが子ども利用料を無料化する理由と展望
株式会社SHONAIが自社の運営する全天候型児童教育施設「キッズドームソライ」(通称:ソライ)において、2025年10月から鶴岡市の子どもたちに対する利用料を無料化することを発表しました。この新制度では、大人1名につき中学生以下の子どもが最大3人まで無料で利用できることになります。この取り組みは、超少子高齢化が進む庄内地方での子ども支援環境の整備を目指すものであり、企業市民としての自覚を持ったSHONAIの新たな挑戦です。
無料化に至る経緯
SHONAIがこの無料化を実施する背景には、行政との連携と地域住民からの強い要望があります。2018年に、SHONAIは10億円、鶴岡市が2億円を負担してソライを設立しました。その後、運営は民間主体で行い、行政の補助には依存しない形をとりました。しかし開業後、市民からは無料化を求める声が次第に高まり、2025年には子育て団体との協定が結ばれ、市議会で関連予算案が提案されましたが、残念ながら一票差で否決されました。この敗北を踏まえ、民間企業による無料化を実行する決断が下されました。
緊急性を感じる支援の必要性
特に印象に残ったのはある保護者からの声です。「開業から7年が経ち、子どもが成長し、もう中学生になってしまった。」という内容で、時間が待ってくれないというリアルな状況が伝わってきます。2024年の実証で、利用料金が利用機会に直接影響を与えることが示され、市民の強いニーズが浮き彫りになりました。そこで、SHONAIは緊急に教育支援を実現する必要があるとの判断を下しました。
今後の展望と地域への貢献
この新制度はまず鶴岡市に住む子どもたちを対象に開始され、その後の運用状況を見て他地域への拡大も検討される予定です。SHONAIは、教育投資を企業の広告宣伝費と捉えています。そして2030年までにグループ売上100億円を目指すその道筋の中で、教育投資への理解と支援を広めるための企業や個人からの協賛、寄付を募り、地域全体での持続可能な成長モデルの実現を目指します。これは、SHONAIにとっての始まりであり、企業市民として地域の教育や子育て環境に投資する取り組みは、今後さらに深化していくことでしょう。
利用料変更の具体的内容
2025年10月4日から導入される『ソライ子育て応援フリーパス』の詳細は以下の通りです:
- - 中学生以下の子どもは、大人1名につき3人まで無料で利用可能。
- - 鶴岡市以外の地域ニーズを考慮し、段階的な拡大が予定されています。
- - また、特別団体料金を設け、地域内の教育機関や子ども関連団体には特別な条件が適用されます。
結びに
SHONAIは「地方の希望であれ」を掲げ、地域課題の解決に向けて積極的に取り組んでいます。今回の子ども利用料の無料化は、その一環として位置づけられています。引き続き、SHONAIの動きに注目し、地域全体の教育環境がどう進化していくのかを見守りたいと思います。