和ガラスビンが持つ懐かしい魅力
2024年8月23日、株式会社リットーミュージックから『帰ってきたコンペイトウ Kurihara and Iriyama Toy Bottle Collection』が発売されました。本書では、明治末期から昭和初期、さらには戦後に至るまで、日本で多くの人に親しまれてきた金平糖ビンやその周辺の文化を深く掘り下げています。
金平糖ビンの魅力とは
金平糖ビンは、単なる容器にとどまらず、菓子と遊びを組み合わせたユニークなおもちゃでもあります。「菓子入玩具」と呼ばれるこれらのビンは、明治時代から昭和初期にかけて大人気を博しました。その理由は、ガラスやセルロイドで作られた美しいデザインにありますが、何よりもその中に詰まったお菓子、そして遊び心が多くの子どもたちを魅了したのでしょう。
コレクターの情熱
本書の著者である栗原英次氏と入山喜良氏は、金平糖ビンや駄菓子関連グッズのコレクターとして知られています。栗原氏は300点以上の金平糖ビンを所有し、入山氏もまた駄菓子屋に関するコレクションを築いています。この二人の情熱や努力は、単なるコレクターを超え、一つの文化を後世に伝える使命とも言えるでしょう。
坂崎幸之助氏(THE ALFEE)が寄稿した文章にも、彼らの収集活動への称賛と嫉妬が込められています。彼は、二人のように和ガラスビンを愛し、それを長年にわたって収集することは計り知れない労力を要することであると認めています。
ビジュアルブックとしての特徴
本書は、単なるコレクションの公開にとどまらず、美しい写真によって金平糖ビンの魅力を引き出しています。ガラスに映し出される光や影、色彩が、当時のノスタルジーを呼び起こし、その美しいデザインが一層映えます。シンプルながら心を掴むビジュアルで、ビンたちの歴史や背景を紹介している点は、見逃せません。
取り上げられているアイテム
本書には金平糖ビンだけでなく、ニッキ水ビンやペロペロの砂糖菓子の容器なども取り上げられています。それぞれのアイテムに込められた物語や、時代背景を理解することで、私たち現代の人々がどれほど豊かな文化遺産を持っているかを感じることができます。
おわりに
「帰ってきたコンペイトウ」は、単なるコレクション本ではなく、ビンに込められた夢やロマン、そして日本の菓子文化の一端を垣間見ることができる一冊です。和ガラスの魅力を再発見し、心温まるノスタルジーを感じるためにも、ぜひ手に取ってみてください。