日華化学の革新的技術「ネオクロマト加工」が近畿経済産業局長賞を受賞
日華化学株式会社が開発した「ネオクロマト加工」が、近畿経済産業局長賞を受賞しました。この技術は、水を使わずにポリエステル布地から染料を簡単に除去できる画期的な技術です。近年、アパレル業界における大量の布地廃棄が大きな社会問題となっていますが、「ネオクロマト加工」は、この問題解決に大きく貢献する技術として高く評価されました。
環境問題への意識の高まりとサステナビリティ
昨今のサステナビリティへの意識の高まりを受け、アパレル業界では、環境負荷の低減と資源の有効活用が急務となっています。大量生産・大量消費・大量廃棄のサイクルからの脱却が求められ、アップサイクルによる資源の再利用が注目されています。
「ネオクロマト加工」の革新性
「ネオクロマト加工」は、エレファンテック株式会社との共同開発によって生まれた技術です。この技術の最大の特徴は、水を使用せずに、安全性の高い薬剤を用いて、ポリエステル繊維から染料を数分間でほぼ完全に脱色できる点です。大掛かりな設備も必要ありません。脱色された布地は、再び染色やプリントをすることが可能で、デザインの変更を何度でも繰り返すことができます。
多様な活用シーンと期待
この技術は、様々な分野で活用が期待されています。例えば、
普段着のTシャツのデザインを季節や気分に合わせて変える
スポーツユニフォームをシーズンごとにリデザインする
不要になったポリエステルサイネージをリデザインする
脱色してマテリアルリサイクルの原材料とすることで、テキスタイルロスゼロを目指す
これらの活用によって、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に大きく貢献すると期待されています。さらに、ファッション業界における新たな事業展開にもつながる可能性を秘めています。
日華化学の取り組み
日華化学株式会社は、中期経営計画「INNOVATION25」において、「環境」「健康・衛生」「先端材料」の3つのEHD事業を重点的に推進しています。「ネオクロマト加工」は、まさにこのEHD事業戦略に沿った取り組みであり、同社がサステナブルな社会の実現に積極的に貢献していく姿勢を示しています。
受賞者
今回の受賞者には、松田光夫氏(日華化学株式会社界面科学研究所フェロー)、中山京氏(日華化学株式会社化学品部門付)、杉本雅明氏(エレファンテック株式会社取締役 Co-Founder)が名を連ねています。彼らの創意工夫と努力が結実した成果と言えるでしょう。
まとめ
日華化学の「ネオクロマト加工」は、アパレル業界の抱える課題を解決し、サステナブルな社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めた画期的な技術です。今後の発展と更なる活用に期待が高まります。