ダイキンが発表した「世界の空気感調査」から見えてきたエアコンの重要性と地域差

ダイキン工業株式会社は、世界中のエアコンに対する意識とその文化についての調査を実施しました。この調査は、世界12都市に住む1,200人を対象に行なわれ、エアコンがどれほど私たちの生活に影響を与えているのかを浮き彫りにしています。

エアコンがもたらす快適さとその文化

エアコンがアメリカで誕生してから約100年が経ち、その重要性は今や社会インフラの一部となっています。特に2024年7月には世界の平均気温が記録的な高水準に達し、エアコンの需要はさらに増加すると予想されています。国際エネルギー機関（IEA）によると、2050年までに世界でのエアコンの保有台数は約3倍になるとのことです。この背景には、新興国の経済成長があると考えられています。

調査から見える都市ごとのエアコン利用実態

調査結果によれば、東京の平均設定温度は26.2℃で、最も高いことが分かりました。それに対し、最も低かった都市はラゴス（ナイジェリア）の21.9℃で、その差は4.3℃もあります。このことから、各都市での寒さへの耐性や快適さの感じ方が異なることがうかがえます。特に、東京や東京とアジア圏の都市では平均的な設定温度が高めであることが際立っています。

また、ヒューストン（アメリカ）では、暑い時期に40％以上の人が24時間エアコンを使用する傾向があり、その平均使用時間は17.2時間です。この数字は、日常におけるエアコンの不可欠さを物語っています。リヤド（サウジアラビア）では、設定温度と最高気温の差が最大20.6℃に達し、エアコンへの負荷が大きいことが分かりました。

省エネ性と環境への配慮

調査の結果、エアコン購入時に重視するポイントとして「省エネ性」が12都市中11都市で最も重要とされていることが分かりました。しかし、環境への負担を気にする声が最も高い都市はニューヨーク（アメリカ）であり、環境意識が高まっている様子が伺えます。

空気の質への関心

ラゴスでは空気の質に関する悩みが非常に多く、「排気ガス・山火事などによる大気汚染」が主な懸念材料となっています。ナイジェリアは世界で最も空気汚染による小児肺炎の死亡者が多い国ともされています。これは、空気の質がただ快適に暮らすだけでなく、命を守る観点でも重要であることを示しています。

調査の未来に向けて

今回の「ダイキン世界の空気感調査」は、都市間におけるエアコンの利用状況やその文化的背景についての洞察を提供するものです。ダイキンはこれらのデータを基に、持続可能な空調の普及に貢献し、世界中の人々のニーズに合わせた製品開発を進めていくことを目指しています。

この調査がもたらす知見は、今後のエアコン市場や環境意識の向上に寄与するものと期待されています。エアコンがもたらす快適さを享受するためには、環境への配慮も忘れてはならない要素であるといえるでしょう。