スミッシング手口の最新傾向の紹介
近年、特殊詐欺やフィッシング詐欺の手法が多様化している中、トビラシステムズ株式会社が発表した「スミッシングトレンドレポート2025」では、SMSを利用したフィッシング詐欺、通称「スミッシング」の手口が急増している実態が明らかにされました。特に金融機関をかたるSMSや宅配便を装った不在通知など、その種類は多岐にわたります。
スミッシングとは?
スミッシングは、「SMS」と「フィッシング」の合成語で、電子メッセージを通じてユーザーをだましたり、個人情報を不正に取得したりする詐欺手法です。スマートフォンの普及により、簡単に悪用されるようになりました。
トビラシステムズの調査によると、2025年に急増したスミッシングのトレンドワードは「カード」と「荷物」に関連し、主に金融機関や宅配事業者の名を使ったものが頻繁に見受けられました。例えば、宅配業者を名乗るSMSが全体の44.1%を占め、金融サービスを装う詐欺も35.8%に達しました。
スミッシングのワードマップ
調査結果では、2025年にスミッシング文面で多く使用された単語が多く示されています。金融機関名や「荷物」、「確認」、「制限」といった緊急性の高いワードが使われており、これらは詐欺の罠にかかった時に受け手に警戒心を抱かせる要因にもなっています。発信者からのメッセージが緊急に見えるように意図的に文面が設計されているのです。
スミッシング急増の背景
トビラシステムズの研究によると、特に2025年は金融機関をかたるSMSの割合が前年比で3倍にも増え、その背後には様々な社会的要因が考えられます。
さらに、宅配事業者をかたる詐欺は過去5年間で最も多く見られ、特に春節前後にかけての傾向が目立っています。このように特定の時期に詐欺が集中するのは、アジア圏の文化と密接に関連していると考えられています。
ブランド名を悪用する手口
スミッシングで最も多く悪用されたブランド名は、1位が「Mastercard」、2位が「佐川急便」、3位が「りそな銀行」となっています。このような有名なブランド名を装うことで、ユーザーが信頼しやすくなり、誘導されやすい環境が整っているのです。有名企業の名を利用することによって、フィッシング詐欺の成功率が高まることも大きな問題です。
効率化される詐欺手法
さらに、生成AIが悪用されている可能性も指摘されています。生成AIにより、多数のバリエーションの文面が自動生成され、1日に5000種類以上の詐欺メッセージが作成されることもあります。この効率化によって、詐欺グループはより広範囲にわたってユーザーを狙うことができるのです。
スミッシングから身を守るために
スミッシングへの対策として、日頃から注意が必要です。特に、身に覚えのないSMSを受け取った際には、必ずその内容を吟味し、本物かどうかを確認することが求められます。公式なサービスからの連絡は、常に公式アプリやブックマークしたサイトを通じて確認する習慣をつけることが重要です。
また、トビラシステムズが提供する迷惑SMS対策サービスを活用することにより、詐欺の可能性があるSMSに対して自動的に警告表示を行うことができます。これにより、より安全にスマートフォンを利用することができるでしょう。
まとめ
トビラシステムズが発表したレポートによれば、スミッシングの手口が年々巧妙化し、ますます増加しています。今後も引き続き、注意して行動することが求められています。詐欺被害を防ぐため、個々の意識向上と有効な対策が必要です。守るべきは自分自身と、その周りの大切な人々です。