森進一、歌手人生60年の軌跡
11月18日に77歳を迎えた森進一。この特別な日を祝して、BS日テレで放送される「歌謡プレミアム特別版」は、彼の60年にわたる歌手人生を振り返る貴重な番組だ。神秘的な昭和・平成・令和を生き延びてきた森が、名曲の数々を熱唱し、その背後にあるストーリーを語る。
この特別版は、森の自身が作詞・作曲した「昭和・平成・令和を生きる」で幕を開ける。森自身が振り返るように、彼のキャリアはほんの些細な出来事が大きな転機となった。初めは「こんな声で歌手になれない」と言われ、挫折の連続だったが、チャーリー石黒先生との出会いが彼を救った。彼が歌った曲「盛り場ブルース」は、有名になるきっかけとなり、以降の60年を支える基盤となった。
出会いと名曲の誕生
森が歌手としての道を歩む中、多くの作曲家との出会いも重要だった。その中でも特に猪俣公章との関係は深い。猪俣は森に数々の名曲を提供し、一時はレコーディング中に酒を飲んでいたことが原因で森が帰ってしまったこともあった。しかし、相互に信じ合う絆が名曲を生み出す原動力となっていた。
また、森は古賀政男とも深い関係があり、彼の楽曲は森にとって多くの壁を乗り越える助けとなった。「人生の並木路」のレコーディングでは、思わず涙を流しながら歌い上げた逸話も語られる。感情がこみ上げてくる瞬間、古賀も共に泣き、森を励ましたエピソードが印象的だ。
美空ひばりとのエピソード
さらに、歌謡界の大物、美空ひばりとの交流秘話も公開される。ある年の正月、森は彼女の誘いを5時間も遅れて訪れるという失態を犯すが、その後のエピソードが面白おかしく語られる。宴の最中に森が発した失言は、意外にも平和的な結果を呼び起こすこととなった。
「襟裳岬」や「おふくろさん」などを歌う森は、自らの母との思い出を語りながら感情豊かに熱唱。特に「襟裳岬」は、母の死を乗り越える際に彼を支えた大切な曲であり、歌うたびに心の深い部分に響くものがあるという。
未来に向けて
最後に彼は、これからも歌手としての道を歩んでいく意気込みを語り、60年という歩みがいかに不思議で素晴らしいものであったかを噛み締める。歌手としての人生はまだ続くと強く感じられるこの特番、視聴者にとっても感動的な時間となるに違いない。
この貴重な特別番組は、11月27日(水)夜8時よりBS日テレにて放送される予定である。森進一の歌とともに、その人生も是非感じてほしい。
次回の放送をお楽しみに!