介護AI実証実験
2024-08-06 13:24:16

介護業界に革命をもたらすAI技術の導入実証実験

介護業界に革命をもたらすAI技術の導入実証実験



エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社(NTTBP)と株式会社日立製作所(以下、日立)は、介護施設における入居者の感情変化を捉えるための実証実験を実施しました。このプロジェクトは、少子高齢化が進む現在、日本の介護業界が直面する人手不足や介護の質の維持という課題に対し、AIを活用して解決の糸口を探るものです。実証実験は、テルウェル東日本株式会社が運営する介護施設で行われ、入居者の表情や音声データを基に、感情の種類を分析しました。

実証実験の目的と背景


介護において、入居者の感情を正確に把握することは非常に重要です。しかし、現場では多忙を極め、スタッフが入居者の感情を把握しきれないことがしばしばあります。このため、入居者が感じる不快感やストレスは、時に適切なサポートを行う妨げとなり、結果的に介護サービスの質が低下するリスクがあります。

NTTBPと日立は、AIを用いることで、入居者の感情変化を予測し、安心安全な環境を確保することを目指しています。プロジェクトでは、入居者の様子をリアルタイムで観察し、得られたデータをもとにAIによる感情解析を行いました。これにより、介護の質を向上させるだけでなく、介護スタッフの負担軽減も図る狙いがあります。

具体的な実証内容


実証実験では、以下の手順で感情のデータを分析しました。
1. 入居者の様子を撮影
- 介護施設の特性を考慮し、1対1のサポートが求められる居室や、入居者同士の会話が行われる食堂の様子を6日間にわたりカメラで撮影しました。
2. 感情分析の実施
- AIを用いて、撮影した映像と音声データから入居者の感情を分析し、怒り、悲嘆、恐れ、平静、嫌悪、幸福、驚きの7つの感情の中から最も顕著なものを特定しました。
3. 要因の分析
- 入居者のプライベート情報や介護記録、スタッフによる感情アンケート結果を組み合わせ、特定のシーンでどの感情が生じるかを把握しました。

実証の成果と今後の展望


本実証の結果、AIを用いた感情分析は、対象者が実際に感じた感情と約75%の精度で一致していることが確認され、AIの有用性が立証されました。今後、NTTBPと日立は2024年度中にこのサービスを事業化する計画です。具体的には、スタッフが入居者の感情変化を事前に把握し、より質の高いケアを提供する支援を行うことを目指しています。

介護業界がAIを導入することで、サービスの質が向上するだけでなく、入居者の生活の質も改善されることが期待されます。これにより、介護現場でのコミュニケーションが円滑になり、入居者が安心して過ごせる環境が整うでしょう。

この新しい試みは、介護業界全体の進化を促し、より快適でウェルビーイングな社会を実現するための一歩となるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社 日立製作所
住所
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号

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