アリババクラウド、新たなAIインフラとプログラムを発表
アリババクラウドが、技術革新を促進するための最新のAIモデルやインフラ、そして開発者を支援する新プログラムを発表しました。これらの取り組みを通じて、開発者はコストを抑えつつも革新的で効果的なAIアプリケーションの開発が可能になり、全世界の生成AIコミュニティが活性化されることを目指しています。
進化するAIモデルと開発ツールの提供
アリババクラウドは、その大規模言語モデル「Qwen」シリーズの新バージョンである「Qwen2.5」を発表しました。このモデルはAI開発プラットフォーム「Model Studio」を通じて利用可能で、開発者に対してAPI経由でアクセスが提供されます。また、視覚認知、音声、画像生成に特化したマルチモーダルAIモデルも開発され、さらなる開発の幅を広げています。
特に注目すべきは、Qwen 2.5-coderモデルを基盤にしたAIコーディングアシスタント「通義霊碼(Tongyi Lingma)」です。このツールは、コードの自動補完やデバッグ支援などを行い、エンジニアの効率を大幅に向上させます。
さらに、Model Studio上では複雑なタスクの管理を可能にする「Workflow」や、協力して計画を進める「Agent」など、様々なAI開発ツールも導入されています。これに加え、生成AIモデルの精度向上を図る「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」や、モデルの自動評価を行う「AutoEval」などの機能も今年中に利用開始される予定です。
強化されたインフラとサービスの展開
アリババクラウドは、最新世代のエンタープライズ向けエラストリック・コンピュート・サービス(ECS)を今後提供開始し、計算効率を前世代比で20%向上させます。また、コンテナ技術を用いた「Alibaba Cloud Container Compute Service(ACS)」も導入される予定で、このサービスにより開発者はインフラ管理から開放され、イノベーションに集中できる環境が整います。
新たな創造力を喚起するプログラム
アリババクラウドは、生成AIアプリケーション構築を支援するための「Alibaba Cloud GenAI Empowerment Program」をスタートしました。このプログラムでは、無料のクラウドクレジット、トレーニングワークショップ、共同マーケティング機会など様々な支援が提供され、開発者はAIプロジェクトの加速とイノベーションのエコシステムへの参加が促進されます。
グローバルな開発者の成功事例
日本のAI企業Axcxeptは、新たに開発した軽量AIモデル「EZO」をQwen 2.5をベースにし、医療や公共機関向けに特化したソリューションを提供しています。CEOのKazuya Hodatsu氏は、Qwenの日本語処理能力の向上が競争力に大きく寄与していると語ります。
また、OxValue.AIは、アリババクラウドのAIモデルを活用した企業評価サービスを提供しており、精密な分析と効率的なサービスの実現に成功しています。教授の傅晓嵐氏は、アリババクラウドのおかげでサービスの質が向上したと明言しています。
アリババクラウドは、これらの新技術とプログラムを通じて、全世界の開発者にとっての価値をさらに高め、AI主導の革新を支えるための強力な基盤を構築しています。