新技術による記述式問題自動採点の実証事業
四天王寺高等学校・中学校と、増進堂・受験研究社、理化学研究所の革新知能統合研究センターが協力し、記述式問題に特化した新たな自動採点技術の実証事業を開始しました。このプロジェクトは、教育現場における自動採点システムの進化を目的としており、今後の教育において大きな影響を与えることが期待されています。
現状の自動採点の課題
従来の自動採点は、マークシートや多肢選択式のテスト形式に偏りがあり、記述式問題に関しては正確な採点が難しいという問題を抱えていました。また、記述式自動採点でも、解が一意に定まる問題や特定のキーワードに基づく解答に限定されることが多く、採点結果は通常「正解」か「不正解」の二択に収束してしまいます。このような限界を克服する必要があります。
新たな取り組みの目的
今回の実証事業では、理化学研究所AIPセンターが保有する新たな段階的自動採点技術を用いて、実際の教育環境での運用を検討していきます。この技術は、学習者の回答をより細かく評価し、即時にフィードバックを提供することで、学習者の理解を深め、教育の質を向上させることを目指しています。具体的には以下の4つの点に注力します:
1.
教材との連携:増進堂・受験研究社の豊富な教材を活用し、教科ごとの特性に応じた自動採点の精度をさらに高めるためのキャリブレーションを行います。
2.
フィードバックシステムの構築:この新たな採点システムを学習プログラムに組み込み、学習者に対するフィードバックの方法を模索し、その課題点を特定します。
3.
学習効果の調査:段階的自動採点技術が学習者の学習効率や効果にどのように寄与するかを研究し、データを収集します。
4.
採点業務の負担軽減:採点業務に関わる人々の負担を軽減するための方策を探求します。
先行研究の成果
理化学研究所AIPセンターの先行研究では、AIによる採点が人間の採点者と高い相関関係を持つことが実証されています。これまでの技術的制約を乗り越え、より柔軟かつ信頼性の高い採点が可能となることが期待されています。詳細については、関連する文献を参照してください。
実証事業の進行状況
この実証事業では、学校法人としての取り組みが日本初となります。四天王寺高等学校・中学校の協力により、学習内容の理解と定着を促進するための記述式回答のトレーニングが行われる予定です。今後、増進堂・受験研究社は、この実証事業を基に次のステップを視野に入れ、さらなる教育団体や学校法人との協働を検討していく予定です。
お問い合わせ先
本プロジェクトに関する詳細や取材申し込みについては、最新情報を提供するため、以下の連絡先までお問い合わせください。
株式会社増進堂・受験研究社
担当:総務部 栗山
TEL:06-6532-1581(代表)
E-mail:
[email protected]