テンセグリティファーマ、資金調達で新薬開発の加速を図る
バイオスタートアップのテンセグリティファーマ株式会社は、三菱UFJキャピタルからの資金調達に成功しました。このシードラウンドで1.5億円を獲得し、これまでの資金を合わせて累積6.5億円となります。この資金は、悪液質治療薬である「TSP-101」の開発に活用される予定です。
悪液質とは何か
悪液質は、がんや心疾患、感染症などの慢性疾患に伴う症状であり、体重の減少が特徴です。この症状のメカニズムは未だ解明されておらず、統一された治療法も確立されていません。最近の研究によると、悪液質には複数の生物的メカニズムが関与しており、特にがんに関する悪液質は、通常の栄養サポートだけでは改善が難しい多因子性の疾患です。
悪液質は、がん患者の約80%に見られ、体重の減少や食欲不振の原因となります。それにより、化学療法の効果が損なわれたり、副作用が増大することもあります。したがって、新しい治療法の開発が急務とされています。
事業の展望
テンセグリティファーマは、小規模な自己組織化チームを使用して、創薬プロジェクトのボトルネックを解消することに注力しています。「テンセグリティ」という概念を基に、少数の構成要素で安定した構造を作る方法論を採用し、迅速な課題解決を目指しています。
現在開発を進めているTSP-101は、がんに関連する悪液質の発症を抑える特定因子のシグナルを遮断し、全身性の炎症反応も低下させる期待があります。この薬剤はアステラス製薬が過去に開発を進めていたもので、テンセグリティファーマがそのプロジェクトを引き継いでいます。
テンセグリティファーマは、TSP-101を早期に臨床フェーズ1/2に投入し、迅速な概念実証を目指します。このプロセスを通じて、悪液質の治療に新たな道を開くことを目指しています。
会社紹介
テンセグリティファーマは、医薬品のボトルネックを解消することを目的としたスタートアップ企業です。戦略的に開発が中止された治療薬候補を独自の視点で再評価し、臨床開発を進めています。株式会社設立は2023年3月7日で、東京都中央区に本社を構えています。ヒト中心の創薬エコシステムを育成するために、国内外の企業や研究者と連携し、新薬の種を発掘・提供していくことを目指しています。
三菱UFJキャピタルの役割
三菱UFJキャピタルは1974年に設立され、ライフサイエンス分野に特化した500億円規模のファンドを通じてバイオベンチャーに投資を行ってきました。同社の支援を受けることで、テンセグリティファーマの取り組みがさらに加速することが期待されています。今後の動向に注目です。
【お問い合わせ先】
テンセグリティファーマ株式会社
広報担当
Email: info@tensegrityp.com