三井不動産、ニューヨークにおける新たな挑戦
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区)は、ニューヨーク・マンハッタンの大規模複合開発である「50ハドソンヤード」に関連する資金調達の一環として、1,000億円規模のグリーンボンドを発行することを決定しました。このプロジェクトは、前回の米ドル建てグリーンボンド発行に続くもので、会社の持続可能な経営への強い意志を示しています。
50ハドソンヤードとは?
「50ハドソンヤード」は、ニューヨークで注目を集めている大型複合ビルです。その敷地は約69,000平方フィート(約6,400平方メートル)、延床面積は2,900,000平方フィート(約269,000平方メートル)に及び、58階建てという巨大なスケールを誇ります。このビルは、地下鉄7番線の「34丁目駅」に直結しており、利便性も高いため、多くの訪問者が期待されます。
環境への配慮
「50ハドソンヤード」は、LEED GOLD認証を取得しており、設計から施工にかけて環境への配慮がなされています。特に、複層Low-Eガラスの使用や高性能空調が導入されることで、省エネルギーを図るなど、持続可能な建物としての認識を高めています。
グリーンボンドの意義
今回発行されるグリーンボンドは、環境関連のプロジェクトの資金調達を目的とした金融商品であり、サステナブルファイナンスの重要な一部を成します。三井不動産は、2021年11月に「脱炭素社会の実現に向けたグループ行動計画」を策定し、その一環として、持続可能な開発を積極的に進めています。2024年4月には新たなグループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」を発表し、より一層サステナビリティ経営を推進しています。
資金使途
今回のグリーンボンドで調達した資金は、全額を「50ハドソンヤード」のリファイナンス資金として使用される予定です。具体的には、「第88回無担保社債」と「第89回無担保社債」の2種に分かれて発行され、各500億円ずつの規模で流通することになります。
三井不動産のサステナビリティへの取り組み
三井不動産は、2023年度には総額2,300億円ものサステナブルファイナンスを見込んでおり、2024年度にはさらに300億円のグリーンボンドを発行する計画です。サステナブルファイナンスの調達額は2025年3月末までに累計で10,858億円に達すると見込まれています。
社会との共生
企業の社会的責任が求められる時代において、三井不動産の持続可能な活動は、多くのステークホルダーからの信頼を築くものとなっています。「共生・共存・共創」という理念のもと、経済価値の創出と社会価値の創出を両立させるよう努めています。
これからも三井不動産は、サステナブルファイナンスに対する取り組みを強化していくことで、資金調達の多様化や持続可能な社会の実現に向けた貢献を果たしていく意向です。これからの動向から目が離せません。