半世紀の集大成、荒俣宏の幻想文学翻訳
2024年12月23日、著名な小説家であり翻訳家の荒俣宏氏の新たなクラウドファンディングプロジェクトが始まります。タイトルは『欧米幻想ファンタジー精華』、この作品は彼が人生をかけて探求してきた幻想文学の翻訳集成です。本書は全四巻に及び、英米の幻想怪奇小説の魅力を余すところなく伝えます。
書籍の概要と内容
書籍は以下の四巻から構成されます。
第一巻: 妖精幻想詩画帖『妖精の国で』
この巻ではウィリアム・アリンガムの挿絵やW・B・イェイツの新訳が楽しめます。さらに、ロード・ダンセイニの作品も収録。幻想的な世界観が広がる詩画帖です。
第二巻: イギリス寒雪夜がたり集『レノーレ』
ビュルガーの原作とロゼッティによる英訳、ヴァーノン・リーの『夢日記』など、多彩な怪奇物語が揃っています。異なるスタイルの作品を楽しむことができる一冊となるでしょう。
第三巻: アメリカ異世界冒険譚
エドワード・ベラミーやA・メリットなどの異世界冒険譚が収録され、読者を未知の世界へと誘います。特に新訳の作品が魅力的なポイントです。
第四巻: 『異次元を覗く家』
ウィリアム・H・ホジスンによるこの重要な作品は、「コズミック・ホラー」の先駆けとされています。後の多くの作家に影響を与えた名作です。
制作背景と荒俣氏のメッセージ
荒俣氏は、76歳を迎えた今、新たな挑戦としてこのクラウドファンディングを実施することに決めました。翻訳者としての人生に区切りをつけ、自身がコレクションしてきたヴィジュアル資料や挿絵をもとに、魅力的な文芸書を世に送り出します。彼は“遺言”とも言うべき本書を残すことで、後進にこの文学を伝えたいと強く願っています。
出版の背景 春陽堂書店との絆
本書の出版元である春陽堂書店は、荒俣氏の恩師である平井呈一を通じて得た特別な縁があります。平井氏が初期の著作をここから発表し、彼が弟子としてその背中を追った出版社です。約100年の時を経て、恩師の初期作と弟子の最終作が同じ版元から出版されるという奇縁に、荒俣氏は深い思いを抱いています。
クラウドファンディングの詳細
- - 募集期間: 2024年12月23日(月)11:00 ~ 2025年1月31日(金)23:59 (予定)
- - 書籍仕様: 四六判、上製、ケース入り、各巻400~500頁
- - 定価: 1巻6,000円+税、2~4巻5,000円+税
- - 刊行開始: 2025年2月より隔月刊行予定
この素晴らしいプロジェクトに賛同し、支援を通じて文学の未来を創る手助けをしませんか?詳細は
CAMPFIREクラウドファンディングサイトをご覧ください。