資本市場の発展に向けた優先課題
2025年4月10日、金融庁の国際審議官である有泉氏が、ポーランドのワルシャワで開催されたEurofi High Level Seminar 2025において「Remarks on priorities for developing capital markets」と題した講演を行いました。この講演では、特に日本と欧州が直面している共通の課題について触れ、資産運用立国を目指す日本の取り組みを紹介しました。
日本と欧州の共通課題
有泉氏は、日本と欧州が市場環境の変化にどう対応しているかについて、具体的な例を挙げながら述べました。経済成長や競争力の向上、また新興市場の成長が求められる中、両地域が協力し、資本市場の発展を進めることが重要であり、そのための方策について深く掘り下げていきました。特に、投資家の信頼を高めるためには透明性やガバナンスが極めて重要であり、それを実現するための方法論が求められると強調しました。
資本市場の発展に向けた日本の取り組み
日本では、資本市場を活性化させるために、さまざまな施策が打たれています。例えば、高齢化社会における資産形成の重要性が増す中、個人投資家がより参入しやすい環境を整備することが喫緊の課題とされています。具体的には、低コストでの取引環境の整備や、金融教育の充実が挙げられます。これにより、資産運用の重要性を認識する人々が増加し、日本全体の資本市場も活性化することが期待されます。
特に、2020年の東京オリンピック後に見込まれる投資機会や、地球温暖化に伴う再生可能エネルギー関連のプロジェクトへの投資の促進などが、今後の資本市場を活性化させる重要な要因となるでしょう。
国際的な協力の必要性
最後に、有泉氏は、資本市場の発展において国際的な協力が不可欠であることも指摘しました。各国が持つ異なる制度や文化を理解し、それを尊重しつつ協力し合うことで、グローバルな視点に立った市場形成が可能になると述べました。特に、気候変動やデジタル化といった現代の大きな課題に対しては、国際的な取り組みが一層重要になります。
このように、有泉氏は日本と欧州の共通の課題を踏まえた上で、資本市場がいかに発展していくべきか、その優先課題をまとめて提示しました。今後の動向に注目です。
詳細は、講演原稿(英語)を参照することが可能です(
PDFリンク)。