業務提携の背景
株式会社IP FORWARDと北京知産宝網絡科技発展有限公司(以下、IP HOUSE)は、業務提携を取り決めたことを発表しました。この提携により、両社は中国市場における知的財産権の保護に特化したサービスを強化します。IP FORWARDは2011年に設立され、中国と日本を拠点に多くの日系企業に対して、知的財産権関連サービスを提供してきました。一方、IP HOUSEは中国における知的財産権訴訟データベースを保有し、データ分析を基にした報告書の提供に定評があります。
中国は現在、知的財産権の出願件数や訴訟が増加している国です。日系企業にとって、中国市場でのビジネス展開が進む中、知的財産権の戦略的な活用が不可欠となっています。両社の提携は、企業が直面する課題に対し、より付加価値の高いリーガルサービスを提供することを目指しています。
提供する主要サービス
新たに開始される共同サービスには以下のようなものがあります。
1. 中国知的財産概況マクロ調査
このサービスでは、中国の最新の知的財産データを収集・整理し、日中両国の知財専門家の分析コメントを提供します。具体的なデータには、以下が含まれます。
- - 知的財産権出願状況
- - 知財訴訟案件の概要統計(件数、種類、地域、裁判所など)
- - 知財訴訟案件の詳細統計(代理人情報、判決結果、審理時間など)
- - その他の知財に関する最新トピック
2. 個別事例の分析
このサービスでは、知的財産判例データベースを通じて、特定の技術分野や裁判所ごとの勝率、当事者の主張・立証方法、判決文からの情報抽出を行います。これにより、中国での権利行使における管轄選択などの判断材料を提供します。さらに、無効審判や拒絶査定不服審判の傾向を把握することもできます。
3. 中国弁護士の実績調査
代理人弁護士の選定を行う際に役立つ情報を提供します。その中には、各弁護士の累計代理案件数、勝率、代理案件の内容に関する詳細も含まれます。サービスの要望に応じて、中国の知財専門日本弁護士が対応し、コミュニケーションサポートやセカンドオピニオンも提供可能です。
両社の企業概要
IP FORWARD(上海擁智商務諮詢有限公司、IP FORWARD株式会社、IP FORWARD法律特許事務所)
- - 所在地:上海市、東京都港区虎ノ門
- - 設立:2011年
- - 従業員数:60名
- - 事業内容:知的財産権行使、ビジネスコンサルティング等
IP HOUSE(北京知産宝網絡科技発展有限公司)
- - 所在地:北京市海淀区
- - 設立:2014年
- - 従業員数:50名
- - 事業内容:技術開発、データ処理、アプリケーションサービス等
この提携により、両社は互いの強みを活かしながら、中国での知的財産権保護の向上を通じてさらなる成長を目指していくことでしょう。