業界初の全方位検査を実現した大型ガラス基板検査装置の誕生
東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー株式会社(以下、東レエンジMI)は新たに、半導体製造現場での効率的な品質検査を可能にする大型ガラス基板検査装置の販売を開始することを発表しました。本装置は2025年3月から市場に投入される予定です。
新たな検査装置の特徴
開発された装置は、パターン異常や異物だけでなく、ガラス基板特有のひび割れやその他の内部欠陥も検出可能です。具体的には、パネルレベルパッケージ(PLP)や再配線用ガラスキャリアにも対応しており、幅広い半導体製造用途に適応します。これまではガラス基板の表面のみを検査する装置がありましたが、両面及び内部を同時に検査できるのは業界初の試みとなります。
需要の高まりと市場展望
次世代の半導体製造技術「2.5次元パッケージ」の普及が進む中、高機能化が進む半導体に求められる基板技術の進化が急務となっています。特に、チップのサイズアップと高集積化の影響で、従来のシリコンインターポーザでは供給が追いつかず、新たなガラス基板の需要が高まっています。
従来のシリコンインターポーザでは、12インチウェーハの円形デザインがために一度に得られるチップ数が限られるため、供給量が不足しがちでした。この点を解消するため、東レエンジMIの新しいガラス基板が注目を集めています。ガラス基板は大きなサイズで製造でき、高密度実装に適しているため、今後の半導体製造の進化を促すでしょう。
先進的な検査技術
今回の検査装置は、東レエンジMIが進化させたINSPECTRA®シリーズの基本仕様を元にアレンジされています。特に、ガラス基板に特化した不具合検出アルゴリズムや偏光を活用した光学的検査機構の開発がポイントです。これにより、両面の検査と内部欠陥の特定が行えるようになりました。加えて600mm x 600mmの業界標準サイズのガラス基板を40秒で検査できるスピードも売りです。
目指す目標とは
東レエンジMIは、2025年度に10億円、2030年度には20億円の受注を目指しています。この装置を通じて、半導体の製造効率や信頼性を向上させ、環境への配慮も考慮した低炭素社会の実現に寄与することを目指しています。
未来の半導体技術を描く
今後も東レエンジMIは、新たな検査技術の蓄積を活かし、高度な製造ソリューションを提供することで、半導体業界の進化に貢献していく考えです。今回の大型ガラス基板検査装置は、未来の半導体生産現場において重要な役割を果たすことでしょう。私たちは、この革新的な技術の進化に注目し、その成果を見守りたいと思います。