世界緑内障週間における「ライトアップ in グリーン運動」の意義と成果
2025年3月9日から15日までの間、全国で「ライトアップ in グリーン運動」が実施されます。この活動は日本緑内障学会が主催し、緑内障に対する認識を高めるための啓発運動です。グリーンに照明された公共施設や医療機関が、緑内障の早期発見と治療の重要性を訴えます。
緑内障についての理解を深める
緑内障は進行性の眼疾患で、初期段階では自覚症状がほとんどありません。視野が狭まることで日常生活に影響を与え、進行すれば重篤な視覚障害を引き起こす恐れがあります。特に、加齢に伴う罹患率は上昇し、40歳以上では5%、70歳代で10.5%、80歳以上に至ると11.4%に達します。このため、高齢者にとっての重大な視覚障害の原因となっています。
適切な治療と早期発見
治療法は多様化しており、薬剤や手術の選択肢が増えています。早期に発見し、継続した治療を行うことでクオリティオブライフ(QOL)を維持することが可能です。しかし、緑内障の初期段階では自覚症状がないため、多くの人が気づかないまま進行してしまうことも少なくありません。これが治療の中断につながる原因でもあるのです。
ライトアップ in グリーン運動の展開
日本緑内障学会では、啓発活動の一環として2015年から「ライトアップ in グリーン運動」を開始しました。この運動は、国際的なイベント「世界緑内障週間」に合わせて行われ、各地のランドマークや医療施設をグリーンでライトアップする取り組みです。これにより、視覚的なインパクトを持って、緑内障に対する関心を高めることを目指しています。
2024年には1501カ所でのライトアップ事例があり、今後もさらなる参加施設の拡充を期待しています。この運動の背後には、「早期発見・継続治療」と「希望」というメッセージがあります。支え合うことで治療を続ける大切さを伝えることが目的です。
各地での活動と今後の展望
全国の眼科医院や薬局などでも広報活動を行っており、啓発ポスターの配布や公演会、無料検診などのイベントが行われます。参加することで、あらためて緑内障について学ぶ機会を得ることができます。
まとめ
「ライトアップ in グリーン運動」は、緑内障に関する正しい知識の普及を図る重要な取り組みです。早期発見と治療の重要性を広めることで、高齢者が高いQOLを維持できるよう努めています。この運動を通じて、より多くの人々が緑内障について関心を持つことを期待しています。