森林の魅力をマネタイズするシシガミカンパニーの挑戦
新たな発想で森林利用の可能性を広げている「株式会社シシガミカンパニー」が令和6年4月1日に設立されました。この企業は、次世代に遺すべき財産としての森林を、地域社会、森林所有者、利用者の思いを結びつけることを目指しています。特に注目されているのが、森林をキャンパーに貸し出す斬新なビジネスモデル「フォレンタ」です。
新しいビジネスモデル「フォレンタ」
「フォレンタ」は、2020年のコロナ禍に誕生した森林レンタルサービスで、利用者が自然のままの森を年間契約で借りてキャンプやブッシュクラフトを楽しめるというものです。このスタイルは、従来のキャンプ場とは異なり、電気や水道のない自然環境を満喫する独自の体験を提供します。管理コストを抑えることで収益性も高まっており、既に全国で13道府県の林業事業体が参加するなど、急速に広がりを見せています。
このサービスは観光資源が乏しい地域にも新たな関係人口を生み出し、地域経済に寄与しています。具体的な魅力は、都心の喧騒から離れた静けさの中、星空を眺めながら過ごす特別な体験にあります。そのため、森林所有者や地方自治体からも大きな関心が寄せられているのです。
シシガミカンパニーの展望
「シシガミカンパニー」は、「フォレンタ」を推進するだけでなく、森林の持つ価値を多角的にマネタライズすることを目指しています。特に焦点を当てているのは、森の癒しの力や、地球温暖化、生物多様性への貢献です。これらの可能性を新たなサービスや事業として展開するためには、専門家との連携や資金調達が重要です。
今後は以下の3つの方向性で事業を展開する予定です。
1. 森林レンタルサービス「フォレンタ」の全国展開
2. 森林空間を活用した新規事業・サービスの立ち上げ
3. 森林の利用促進に向けた情報発信事業
地域の誇りを取り戻す
シシガミカンパニーが掲げるミッションには、「森林を次世代に胸を張って引き継げる財産にする」というビジョンがあります。過去には木材生産が地域経済を支えていましたが、木材価格の低下に伴い、森林への関心が失われることに。しかし、森自体が持つ価値を再評価し、地域と都市を結ぶ架け橋となることが目指されているのです。
今後の大きな課題は、森林所有者の理解を取り付け、所有林の開放を進めることです。リスク管理のためのルール作りを敷くことで、不安を軽減しつつ、開放された森林に多くの人々が訪れる社会を築くことが期待されています。
代表のメッセージ
代表の田口房国氏は、自身の経験から森林利用の重要性を語ります。「地域の活力が失われつつある中で、フォレンタを始めたことは、森林の可能性を実感するきっかけでした。新会社の設立は、その可能性を広げるための重要なステップです」との思いを語る。
加えて、昨今の若者たちのアイデアを取り込みつつ、テクノロジーと融合させた事業展開を進める意向を示しています。
シシガミカンパニーの概要
- - 住所:岐阜県加茂郡東白川村越原976番地10
- - 代表:田口房国
- - 設立年月日:令和6年4月1日
- - URL:シシガミカンパニー公式サイト
- - 事業内容:森林レンタル、レジャー企画、林産物の生産・販売など
特に注目される「フォレンタ」に始まり、多様なプロジェクトが展開される中、森林の未来は今まさに開かれています。