最近の建設業界では、鳶職人の人手不足が深刻な問題となっています。この現状に対し、株式会社タカミヤは無料で利用できる鳶職人特化型の求人サイト「Tobira」を全国展開することを発表しました。最初は関西エリアで展開していましたが、好評を受けて全国に広がることとなり、業界の人手不足解消に貢献することを目指しています。
建設業界の人手不足の背景
現在、建設業界では熟練職人の高齢化や後継者の不足が進行しており、国土交通省のデータによれば、2022年の建設業就業者数は479万人と1997年のピーク時から約30%減少しています。この状況に加え、2024年問題に伴う時間外労働の上限規制の影響で、工期の延長や施工スケジュールの調整が難しくなることが予想されています。この結果、建設会社の廃業が増加し、一部地域では建設プロジェクトが進行しづらくなる懸念も生じています。
「Tobira」の特徴と利点
タカミヤが運営する「Tobira」では、求人掲載を行う企業は全ての手数料が無料です。これにより、建設会社や鳶会社は手軽に求人を出し、求める人材に直接アプローチできる利点があります。また、鳶職人側もアカウントを作る必要がなく、すぐに求人情報を検索・応募できるため利便性が高いです。求人情報も鳶職人向けに特化しているため、自分にマッチする仕事が簡単に見つかることが魅力です。
掲載企業からは「有料の求人サイトでは反響がなかったが、Tobiraは無料で視認性が高く助かる」との声も多く、新たな採用チャンネルとして評価されています。写真付きの求人情報も掲載可能で、視覚的に求職者に訴求できるメリットもあります。
タカミヤ プラットフォームの一環
「Tobira」は、タカミヤが展開する多岐にわたる建設DXソリューションの一部です。タカミヤは2024年の規制やデジタル化遅れに対応するため、業界のコスト削減や業務効率化を図る「タカミヤ プラットフォーム」を推進しています。このプラットフォームには、仮設機材の調達・運用のマーケットプレイス「OPERA」、建設現場の機材管理を行う「OPE-MANE」、足場のリアルタイムマーケット「Iq-Bid」などが含まれています。
タカミヤのBIM/CIM技術を活用することで、効率的な工事管理や設計が可能になり、業界全体の生産性向上を目指しています。また、タカミヤが提供する安全教育プログラムは、現場の安全性を高める取り組みとしても重要です。
株式会社タカミヤについて
タカミヤは1969年に設立され、建設現場で使用される様々な仮設機材や構造機材などの製造、販売、レンタル、施工を一貫して行っています。業界の技術革新を通じて高い付加価値の製品を生み出し、地下工事から超高層ビル、農業、災害対策まで、多様な分野での安全性・施工性の向上を目指しています。大阪市に本社を構えるタカミヤは、全国にそのサービスを提供し続けています。
「Tobira」は、鳶職人が求める求人情報を簡単に見つけられるプラットフォームとして、多くの求職者に利用されることが期待されています。人手不足という課題解決に向け、タカミヤは今後も革新的なサービスを提供していく方針です。