2025年第2四半期版中堅企業経営者意識調査レポートの概要
2025年第2四半期に実施された「中堅企業経営者意識調査」(International Business Report: IBR)の結果が公開されました。この調査は、太陽グラントソントンによって世界35カ国で行われ、日本を含む中堅企業の経営者からの意見を集計しています。国際的な視点から、日本の企業がどのような経営状況にあるのか、またデジタル投資に対する意欲はどうなのでしょうか。本記事では、その主要な結果を分析し、今後の見通しを探ります。
全体の景況感
調査結果によると、世界35か国全体での景況感は71%と高水準を維持しています。ただし、日本は前回調査から9ポイント減少し、20%という極めて低い数字が示されています。この背景には経済の不確実性や成長制約に対する懸念が大きく影響していると考えられます。特に、経済情勢の変化に不安を抱く企業が61%を占め、将来の業務の見通しが曖昧なことがうかがえます。
デジタル投資の現状
最も注目すべき点は、ITへの投資意欲が日本で47%に留まっていることです。これは世界平均の68%に大きく差をつけられており、「デジタル投資ギャップ」が明らかになっています。日本においては、企業がテクノロジーへの投資をためらっている様子が見受けられ、特にAIへの投資は慎重を要する状況が続いています。AI投資において、日本の割合は47%に留まっており、これは調査対象国平均を下回っています。ここには、企業がコスト削減や即戦力の確保に重きを置いているという現実も影響しているのでしょう。
日本固有の課題
経営者からは、特に即戦力の人材確保や人件費の高騰が深刻な問題として挙げられています。人件費に関する懸念は56%となっており、これもまた日本特有の課題です。一方で、地政学的混乱やサプライチェーンについての懸念も高まっており、経済の安定性に疑問を持たせる要素となっています。
これらの要因が重なり、日本の中堅企業は国内外で競争力を保つために、より積極的なデジタル投資が求められています。地元市場の保護主義的傾向が強まる中、日本企業が国外市場を視野に入れた成長を目指すためには、ITインフラの充実や人材育成を急がなければなりません。
今後の展望
中堅企業経営者たちの意識調査からは、今後1年間で自身の企業における成長の可能性に対して楽観的とはいえない状況が浮き彫りになりました。特に、今後の仕事環境が変化する中、新たな技術の導入は求められる一方で、経営者自身がその変化にどれだけ適応できるかが重要となります。AIやビッグデータの活用が成長ドライバーにはなり得るものの、慎重姿勢が続く日本では、これらの技術への普及が遅れているようです。
経済環境は今後も厳しい状況が続くでしょうが、企業経営者の意識改革とともに、持続可能な成長に向けた取り組みを促進することが必要です。日本の中堅企業が新たな挑戦に踏み出すことを期待しつつ、その動向を見守る必要があります。