青森県でのDMAT訓練におけるBuddycomの実証試験
株式会社サイエンスアーツは、2025年9月5日から6日にかけて青森県で行われる内閣府主催の「令和7年度大規模地震時医療活動訓練」において、同社の通信プラットフォーム「Buddycom」を用いた実証試験を実施すると発表しました。この訓練では、特に大規模災害時における医療活動の重要性が強調され、Buddycomの活用が新たな情報共有手段として注目を集めています。
災害時の通信手段としてのBuddycomの役割
想定される災害は、日本海溝・千島海溝周辺型の大地震(M9.1、最大震度6強)であり、北海道から青森、岩手、宮城にかけて広範囲に及ぶ被害が予測されています。固定回線や携帯電話が利用できなくなる中、Buddycomの利用が急務とされています。Buddycomは、音声、映像、位置情報をリアルタイムで共有できるクラウドベースのライブコミュニケーションプラットフォームです。これにより、DMAT(災害派遣医療チーム)が現場から迅速に状況を伝え、指示を受け取ることが可能になります。
訓練の具体的な内容
訓練は青森県庁内に設置されたDMAT調整本部、弘前大学医学部附属病院、八戸地区、青森県立中央病院を繋ぐ形で実施され、Starlinkを使用してBuddycomの通信環境を整えます。これにより、各医療機関や救護拠点との情報収集、共有がスムーズに行われることを期待しています。訓練には、内閣府や厚生労働省、防衛省、自衛隊、日本赤十字社、青森県など多くの機関が参加し、全国規模での医療・防災機関間の連携を強化する機会ともなりますです。
Buddycomの機能と今後の展望
Buddycomは、インターネットを基盤とし、スマートフォンやタブレットを使って複数人と同時に情報共有ができるサービスです。具体的には、音声通話、テキストチャット、映像配信、位置情報の共有が可能です。また、AIを活用したデジタルアシスタント機能も備えています。このような多機能性により、Buddycomは航空業界、建設、福祉施設、流通業など幅広い分野で活用されています。
今後のフィードバックをもとにBuddycomの機能改善や運用提案が行われる予定であり、災害時の医療現場のレジリエンスを強化するツールとしての可能性が期待されています。
まとめ
この訓練から導き出される知見は、自然災害に対する備えに役立てられるとともに、現場と指揮系統を確実に繋げるインフラとしてのBuddycomの役割を一層強化し、多くの人々を救う力となることでしょう。青森県でのDMAT訓練は、災害医療の未来を切り開く重要な一歩となることが期待されています。