三菱ケミカル、NICT、TECHLABの共同プロジェクト
2023年7月、三菱ケミカル、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、そして株式会社テックラボ(TECHLAB)が、モビリティ向けの超小型で軽量なLEO衛星通信ユーザー端末の共同開発に合意しました。この新しい技術は、ドローンや自動車など多様なモビリティ機器への搭載を想定しており、早期の実用化が期待されています。
LEO衛星通信の利点
LEO衛星通信は、通信環境が整っていない山間部や海上、離島などにおいても、高品質な通信が実現する点が特長です。つまり、通信インフラが貧弱な地域でも、高速で安定した通信が行えるのです。実際、三菱ケミカルは2023年からこのユーザー端末の開発に着手し、すでにスマートフォン開発で培った設計や通信技術を応用しています。
その結果、初期段階での端末は約446mm × 446mm × 66mmというサイズで、重さは約7kg。船舶への搭載を視野に入れ、2025年度中の実用化に向けて、開発が加速しています。
超小型・軽量な端末の開発
新たに合意した内容は、さらなる小型・軽量化を実現するものです。共同で開発する端末は、現在のモデルの約1/10となる予定で、サイズは約200mm × 200mm × 30mm、重さは約1kgを目指します。この特徴により、より多様なモビリティ、特にドローンや自動運転車への導入が進むと見込まれています。
これにより、山地や災害発生時の被災地における通信手段の確保、位置情報のリアルタイム送信、自動運転車におけるリアルタイム通信など、LEO衛星通信技術は新たな利用シーンを開拓するでしょう。
SPEXA展示会での発表
この取り組みの一環として、7月30日から8月1日まで東京ビッグサイトで開催された「第2回 SPEXA -[国際]宇宙ビジネス展-」において、三菱ケミカルブース(南展示館棟 S7-11)及び、NICTのブースにおいて、今回のプロジェクトが展示されました。新しいLEO衛星通信技術がもたらす未来についての期待が高まっています。
最後に
本プロジェクトは、通信インフラが不十分な地域においても、高速通信を可能にすることで、地域社会の情報伝達を向上させることが期待されます。また、モビリティという新たな視点を加えたこの端末の開発は、通信技術の未来を変える可能性を秘めています。今後もこのプロジェクトから目が離せません。