灯台プロジェクト2024 成果報告会が示す地域活性化の新たな道

2025年2月20日、東京都港区で「海と灯台プロジェクト2024 成果報告会」が開催されました。この催しには、日本財団が支援する全国15地域の関係者が集い、それぞれの取り組みや今後の展望を発表しました。

この成果報告会は、灯台の利活用に取り組む各団体が集まり、自らの成果を振り返る大切な機会です。各地域の代表者が灯台を中心にしたプロジェクトを通じて得られた知見を共有し、今後の課題や展望について意見交換を行いました。

イベント概要

この活動は「海と日本プロジェクト」の一環として行われ、灯台を地域の文化や歴史の核として再発見し、新たな海洋体験の創出を目指しています。具体的には、灯台の調査、施設整備を実施し、地域の観光価値を高めることを目的としています。

参加者は100名に達し、プロジェクトの展開や灯台の文化的価値について熱心に議論しました。各発表では、地域ごとの実践事例や成功した取り組みについて触れられ、特に灯台を利用した観光プログラムや地域活性化の取り組みに多くの関心が寄せられました。

成果報告の事例

青森県大間町

大間町の「大間埼灯台利活用コンソーシアム」は、沖合の無人島「弁天島」とのつながりを基にした「灯台クルーズ」やオリジナル商品開発を通じて、灯台の観光活用を進めています。特に新たな体験型観光として「漁船での灯台クルーズ」を実施することで、過去には見ることのできなかった観光の可能性を探求しています。

北海道積丹町

積丹町の「地域活性化協議会」は、神威岬灯台を使った「学ぶ観光」の取り組みを発表。通常は立ち入れない夜間ツアーや地域の歴史を伝えるパンフレット、灯台守にまつわるエピソードを盛り込んだ探求マップを制作しました。この努力を通じて、灯台の教育的価値が高まることを目指しています。

長崎県平戸市

長崎県平戸の灯台からのメッセージ運営委員会は、灯台同士を結ぶイベントや灯台を活用したナイトカフェなどが紹介されました。このプロジェクトは「灯台デモクラシー」をテーマに、地域の過疎化や空き家問題など多方面にわたる課題解決に向けたソリューションを打ち出しています。

プロジェクトの未来

最後に、日本財団の海野光行氏が「灯台の利活用」における重要な提言を行い、灯台の個性を掘り下げることが各地域の取り組みを強化する鍵であることを指摘しました。自然、文化、食、気候の要素を結びつけることで新たな観光資源を創出し、灯台の魅力を引き出す必要性を訴えました。これらの取り組みを通じて、地域活性化が進むことが期待されています。

この成果報告会が灯台を通じた地域活性化の新たな道を切り開く一歩となることを願っています。