日本初の格付取得を果たす、屋根置き太陽光発電の新たな資金調達

株式会社シェアリングエネルギーは、近年のエネルギー問題や環境への配慮の中で、新たな一歩を踏み出しています。2023年、同社は屋根置きの低圧分散型太陽光発電システムに対するプロジェクトファイナンスで、BBBの格付を取得しました。このことは、日本における太陽光発電プロジェクトにおいて初めての取り組みであり、業界においても注目を集めています。

シェアリングエネルギーは、フィンテックグローバル株式会社をアレンジャーとして、第一生命保険株式会社、七十七銀行、みずほ銀行から合計20億円の資金調達を行いました。この資金は、全国に分散する2,000件以上の住宅に設置された太陽光発電システムによる将来の収益を見込んでのものであり、それに対して格付投資情報センターによる厳格な審査を経て、評価されました。

このプロジェクトの特徴は、規模が小さな住宅単位の太陽光発電システムが集まることで大きな効果を生むことです。それぞれの家庭が持つ屋根の空間を有効利用し、初期費用をかけずに太陽光発電を導入できる「シェアでんき」サービスは、多くの家庭に環境への配慮と経済的なメリットを提供します。

「シェアでんき」は、電気代の削減だけでなく、温室効果ガスの削減にも寄与し、持続可能な社会の実現に向けての重要な役割を果たしています。特に、2023年には地球環境問題がますます深刻化しており、全国的に再生可能エネルギーの必要性が高まっています。日本政府も2050年までにカーボンニュートラルを目指す方針を打ち出しており、再生可能エネルギーの導入を一層推進しています。

シェアリングエネルギーは、これからもこの流れを受けて、さらなるサービスの拡大を図ります。調達資金は新たなプロジェクトに投資され、持続的な成長を目指します。また、今後の展望として、より多くの家庭に「シェアでんき」が届き、その利用が広まることで、エネルギーシステムの革新にも貢献できるよう努めていきます。

フィンテックグローバル株式会社の吉岡氏は、今回のプロジェクトファイナンスが日本初の試みとして成功したことに喜びを語っています。構造化ファイナンスとプロジェクトファイナンスを組み合わせることで、高い持続可能性を持つ資金調達モデルが確立されたことは、再生可能エネルギー業界において大きな意義を持つとされています。

格付取得による信頼の向上は、シェアリングエネルギーにとっても顧客に安心感を与える要素となります。今後、同社は約22,000件以上の契約申し込みを経て、さらなるエネルギーシステムの変革を目指す方針です。

このように、シェアリングエネルギーの取り組みは、今後の再生可能エネルギーの普及に大きく寄与することでしょう。彼らのミッションは「分散電源の創出によりエネルギーシステムを変革する」というものであり、その実現に向けたさらなる努力が期待されます。また、持続可能な社会の実現に向けて、シェアリングエネルギーの活動は、ますます重要な位置づけとなっていくことでしょう。