オンライン展覧会「距離をめぐる11の物語」
国際交流基金(JF)が主催するオンライン展覧会「11 Stories on Distanced Relationships: Contemporary Art from Japan(距離をめぐる11の物語:日本の現代美術)」が、2021年3月30日から5月5日までの期間限定で開催されています。この展覧会では、コロナ禍を経て新たに考察される「距離」の概念をテーマに、多彩なアート作品が紹介されています。
「距離」を翻訳する時代
新型コロナウイルスの影響で、私たちは物理的距離を意識せざるを得ない状況に置かれています。このような制約の中で、交流の形式やコミュニケーションのあり方が見直されつつあります。人々は新たなつながりを求め、「距離」に新たな意味を持たせる試みをしております。
本展覧会は、「距離を翻訳すること」をテーマにし、リアルとヴァーチャルという二つの空間を行き来しながら新たな関係性を築くことの重要性を示唆しています。参加作家たちが表現する「距離」の概念は、物理的なものだけでなく、文化や歴史、感情にまで及びます。
出展作家と作品について
展覧会には、11名のアーティストが参加しています。彼らは、映像や音、アニメーションなど多様な表現を通じて「距離」をテーマにした作品を発表します。出展作家には、荒木悠、潘逸舟の他、飯山由貴や小泉明郎、毛利悠子といった著名なアーティストが名を連ねています。彼らの作品を通じて、物理的距離が生む新たな感覚や、つながりの方法を探りながら、観る者に深い気づきを与えることを狙っています。
特に注目したいのは、毛利悠子のライブ配信作品です。会期中毎日9:00から18:00(JST)まで配信され、アートとリアルタイムの関わりを体感することができます。また、野口里佳が制作した《光る海》や佐藤雅晴の《I touch Dream #1》といったビデオ作品も、視覚的に「距離」を感じさせる素晴らしい作品です。
展覧会の詳細
展覧会の詳細は、公式ウェブサイトで確認できます。展覧会サイトは日本語版と英語版が用意されており、世界中の人々が参加しやすい環境を整えています。
このオンライン展覧会は、国際交流基金が美術を通じて国際文化交流を促進するための重要な取り組みの一つです。新たに構築された「距離」を通じて、様々な文化が交わり、新しい形のコミュニケーションが生まれることを期待しましょう。