日本企業の伝統をアップデートする挑戦の風土とは
企業のコーポレートブランディング支援を手がける株式会社揚羽の執行役員である黒田天兵氏が、2025年に行われた「JTC(Japanese Traditional Company)アップデート大作戦 パネルディスカッション」にて伝統的な日本企業の企業文化の変革について講演を行いました。この講演では「挑戦する文化の醸成」が企業アップデートにおいていかに重要であるかが強調されました。
失敗を許さない文化の払拭
伝統的な日本企業、いわゆるJTCはしばしばその古びた文化が持つ否定的な側面に焦点が当てられますが、黒田氏はこの文化にもメリットがあるとし、安定したビジネスモデルや既存顧客の強固な基盤は一つの強みであると述べました。しかし、真の企業文化のアップデートを図るためには、まず「失敗を許さない文化」を打破することが必要です。この文化の温床となっているのは中間管理職層のリスク回避であり、これが組織全体の成長を妨げているという分析がなされました。
具体的な成功モデルの紹介
黒田氏は、三菱地所レジデンス株式会社の組織風土改革を成功例として挙げました。この企業では経営層が明確なビジョンを持ち、失敗を許容する文化を意図的に築くことで、組織全体の活性化が実現したとされています。この改革において重要なのは、経営層のコミットメントと、現場での行動変容を促す仕組みを同時に整えることです。
小さな成功体験の積み重ね
さらに黒田氏は、組織変革には段階的なアプローチが効果的であるとの見解を示しました。一度に大きな改革を目指すのではなく、小さな成功体験を積み、その結果を共有することで、新しい文化を醸成していく必要があります。経営層だけでなく、現場のリーダーたちも変化の推進者となることが求められています。
提供価値の言語化がカギ
企業文化のアップデートには時間がかかると予測する黒田氏ですが、伝統的な強みを活かしつつ新しい挑戦を受け入れることで、JTCをはじめとする日本企業の持続可能な成長が見込まれると前向きな姿勢で語りました。
「フラットチャンネル」とは?
「フラットチャンネル」は、日立グループの有志によって開始されたオンライン交流会で、月1回の定例会が行われています。この場では企業文化についての議論が活発に交わされ、外部からの参加も受け入れられ、現在ではハイブリッド形式で実施されています。このような交流活動が新しい挑戦のきっかけを提供していることは注目に値します。
お問い合わせ
株式会社揚羽は、企業のブランディングやマーケティングコミュニケーションに関する課題に対し、伴走支援を行っています。興味をお持ちの方は是非、
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会社情報
- - 会社名: 株式会社揚羽
- - 所在地: 東京都中央区八丁堀2丁目12-7 八丁堀トーセイビルⅢ 3F
- - 設立: 2001年8月
- - 代表者: 湊剛宏
企業文化の進化を追求し、日本のビジネスシーンをより熱く、楽しくしていく意欲が感じられます。