フィジカルAIを牽引するExeinが新たに資金を調達
イタリア・ローマに本社を構えるフィジカルAIのサイバーセキュリティ企業、Exeinは、2026年9月15日に2億7,000万ドルの資金調達を成功させ、企業価値が17億ドルに達したことを発表しました。この資金調達により、同社は新たな成長のステージへと進むことが期待されています。
資金調達の背景と成長
Exeinは、過去2年で企業価値が30倍に成長し、欧州で最も価値の高いサイバーセキュリティスタートアップの1社とされています。今回の資金調達は、米国とアジア太平洋(APAC)地域での事業拡大に加え、フィジカルAIセキュリティの分野での取り組みを強化するための資金として利用されます。
今回のラウンドは、Headline社が主導し、Sofina社やGoldman Sachs社、さらにヨーロッパ投資銀行(EIB)グループを通じてKfW CapitalやT.Capital社などが参加しています。既存投資家も合わせて参加し、募集額を大幅に上回る投資需要があったとされています。
フィジカルAIとその重要性
では、フィジカルAIとは何でしょうか?フィジカルAIは、現実の世界でAIが状況を認識し、意思決定を下すインテリジェントなマシンを指します。具体的には、ロボットやドローン、自動運転車などがこの技術を用いて運用されています。Exeinはこの分野において独自のセキュリティ基盤モデルを開発し、20億台以上のデバイスに導入されています。
近年、AI技術が進化することで新たなセキュリティの課題が生まれています。特に、自律型マシンがマシンスピードで攻撃を受ける中、Exeinは「Photon」と呼ばれる予防的ランタイムセキュリティアーキテクチャを開発しました。このシステムは、カーネルレベルで動作し、悪意のある攻撃を事前に阻止することを目的としています。
事業拡大の戦略
現在、Exeinはアジア太平洋地域における売上高の約50%を占め、米国や欧州でも事業を展開しています。資金調達により、ロボティクスや自律型システムへの投資がさらに拡大し、米国およびAPAC市場での事業展開を加速する方針です。
今後2年間で米国での雇用拡大や新規顧客の獲得、パートナーシップの構築を計画しており、併せてサンフランシスコ・ベイエリアへの新オフィスの開設も注目されています。ExeinはM&Aの機会も模索しながら、テクノロジープラットフォームの拡張とグローバル展開を続ける考えです。
日本市場への進出
Exeinは、2025年12月に資金調達を行った後、台湾にアジア太平洋地域本部を設立し、日本市場においても進出を図るために現地法人を設立。東京にオフィスを開設し、10月1日付で新しいカントリーマネージャーの採用も発表されました。これにより日本市場への本格的な事業展開が始まることになります。
まとめと今後の展望
Exeinの創業者兼CEOであるジャンニ・クオッツォ氏は、AIがクラウドから現実の世界へと移行する中で、サイバーセキュリティの必要性が高まっていることを強調しています。同社の独自のマシンデータと専門知識は、今後の世界のフィジカルAIセキュリティにおいて大きな優位性をもたらすと期待されています。特に、マシンスピードで行われる攻撃に対抗するための、同じ速度で動くセキュリティの構築は、Exeinの急成長を支える基盤となるでしょう。
企業の持続的な成長を期待する中、Exeinの取り組みが今後どのように進展していくのか、目が離せません。