東京水道株式会社の離職率が大幅改善、社員待遇向上の秘密とは
東京水道株式会社の離職率の改善
東京水道株式会社は、離職率が2022年度の4.5%から昨年度は2.9%へと大幅改善されたことを発表しました。この数字は、厚生労働省が発表した「令和5年 雇用動向調査」における全産業平均の12.1%と比較しても、ずっと低い水準です。特に技術職や事務職での改善が顕著であり、技術職は昨年度3.6%、事務職は2.0%に落ち着いています。このことは、東京水道が社員の働きやすい環境を整備し、定着率を高めた成果と言えるでしょう。
離職率改善の背景
近年、厳しい労働市場が続く中で、特に技術職には他業種からの高い需要が寄せられています。厚生労働省のデータによると、全国の有効求人倍率は全職業で1.27ですが、技術職に関してはなんと7.16となっており、この状況は「売り手市場」を生み出しています。このような厳しい状況で、東京水道は特に若手社員の待遇改善に力を入れ、離職率の低下につなげています。
具体的な施策
東京水道は、いくつかの施策を通じて社員の待遇向上を図っています。まず、技術職の社員住宅について年齢制限を30歳から40歳に引き上げました。これにより、社員は長期的な安定を享受できるようになりました。
次に、奨学金返還支援制度の拡充を行い、社員の経済的負担を軽減する努力をしてきました。また、役割が限定される専任社員制度を原則廃止し、希望者には総合職への転換を認めることで、社員の士気向上に努めています。
さらに、従来多かった正社員以外の雇用形態から、コールセンターやスーパーバイザーの位置付けを正社員に切り替え、サービスの向上とともに社員の士気を高める取り組みも進められています。こうした取り組みは、費用がかかりますが、業務の効率化を進めることで、営業利益は前年の約13億円から約27億円へと倍増しました。
水道業界における重要性
東京水道株式会社は、東京都の水道業務を担う重要な企業であり、その役割は東京都の水道政策とも深く関わっています。2020年4月に行われた2社の統合によって、包括的な水道管理が可能になりました。これにより、水源から消費者の蛇口までのパイプライン全てをコントロールできる日本最大級の水道トータルサービス企業に成長しました。
結論
東京水道の離職率改善は、単なる数字の改善にとどまらず、社員の生活や働きがいの向上に直結しています。これからもさらに社員の声を取り入れた働きやすい環境を整備し、多くの人材の確保に繋げていくことが期待されます。企業としての理念と行動が結びつき、持続可能な成長が実現されることを願っています。
会社情報
- 会社名
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東京水道株式会社
- 住所
- 東京都新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー37階
- 電話番号
-
03-3343-4560