エチオピアにおけるデジタル教育の新たな試み：キャスタリアとアジスアベバ大学の提携

新たなデジタル教育プログラムの発足

キャスタリア株式会社は、エチオピア連邦民主共和国における教育機関として、アジスアベバ大学との間で基本合意書（MoU）を締結しました。この提携は、同国における教育のデジタル化を促進し、学びの機会を広げることを目的としています。彼らの取り組みは、特に教育資源が乏しく、学習環境が不安定な地域のニーズに応えることに焦点を当てています。

提携の目的と具体的な実施内容

キャスタリアとアジスアベバ大学は、モバイル端末を活用した教員研修を通じて、公教育の質向上を図ります。また、通学が難しい学生にも学びの機会を提供するため、教育システムの整備を進めます。具体的には、エッジコンピューティング技術を活用した学習管理システム「Goocus Edge」を導入します。このシステムは、電波状況が悪化している地域においても、安定して学習を進められる環境を提供できることを特徴としており、エチオピアの遠隔地における教育格差解消に寄与します。

Goocus Edgeの特長

Goocus Edgeは、大規模かつ複数のユーザーが同時に利用できるデジタル学習環境を提供します。これにより、教員は最新の教育手法を学び、生徒は学校に行けない環境でも学習を続けることが可能になります。CER/TCでは、このシステムを活用した教育の実施が予定されており、現地の人材の確保やネットワーク環境の整備も進められます。

具体的なプロジェクト計画

現在、キャスタリアは現地でのブートキャンプを計画しており、2025年の秋から小学生向けに数学とプログラミングの教育を開始します。このプログラムでは、基礎スキルの習得に加え、現地の教育者との共同での教材開発や指導法の交換が行われ、持続可能なデジタル教育モデルの構築を目指します。

エチオピアの教育の現状と必要性

エチオピアでは、内戦の影響で教育予算が削減され、公教育が劣化している現実があります。特に、都市と地方の教育格差が広がり、貧困層の子供たちは教育の機会を得にくい状況です。若年層人口が増加する中で、教育機会の不足は就業機会に悪影響を及ぼし、社会不安を引き起こす要因となっています。こうした問題を解決するため、エチオピア政府はICTを用いたデジタル教育に力を入れていますが、格差の問題は依然として残っています。

これからの展望

キャスタリアは、過去のアジアや中東、アフリカにおけるモバイルラーニングの実績を基に、今回のプロジェクトに臨んでいます。JICAの支援を受けたことにより、質の高い教育コンテンツを安定的に提供し、エチオピアの公教育と連携を強化することが期待されています。

この取り組みは、エチオピアの教育システムの改善に貢献し、若者に新たな教育の機会を提供することに繋がるでしょう。