岡山大学が開催した持続可能・耐震構造に関する国際セミナー
2025年11月12日、国立大学法人岡山大学は、グリーンイノベーションセンター(GIC)の主催により「第4回 持続可能・耐震構造に関するグローバルセミナー」を開催しました。このセミナーは、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施され、約40名の研究者や学生が参加しました。
セミナーの目的と背景
本セミナーの主な目的は、持続可能で耐震性能の高い構造工学分野における国際的な研究ネットワークの強化と、最新の研究成果の共有です。持続可能な社会の実現を目指し、特に低炭素社会への貢献が求められる中で、持続可能かつ環境配慮型のインフラや建築技術の確立が重要です。
国際的な参加者の交流
このセミナーには、岡山大学の学生や他の日本の大学の研究者に加え、ニュージーランドのカンタベリー大学とアメリカのパデュー大学からも参加者が集まりました。国際的かつ学際的な交流の場が提供され、多様な知見が融合する機会となりました。
講演内容について
セミナーでは、以下の5名の研究者が招待講演を行いました。
1.
Pablo Zavattieri(パデュー大学):地震工学の応用に向けた「構造設計材料」についての講演。微細構造設計による強度や靭性の制御の可能性を示しました。
2.
Hyungsuk Lim(カンタベリー大学):低価値バイオ資源を活用したCLT(クロスラミネイテッドティムバー)や構造用木質材料の利用可能性について説明しました。
3.
Santiago Pujol(カンタベリー大学):RC建物の柱に外部鋼板を取り付ける耐震補強法について行い、ウェリントンでの迅速な耐震補強の必要性を強調しました。
4.
Ke Jiang(カンタベリー大学):ステンレス鋼管T型接合部の繰り返し載荷挙動に関する実験結果を発表し、設計基準との比較も行いました。
5.
前田正樹(東北大学):CLTと鋼構造のハイブリッドシステムに関する研究を紹介し、持続可能な建築の実現に向けた見解を述べました。
セミナーの成果と今後の展望
セミナー最後には、岡山大学のアルワシャリ・ハモード准教授から総括が行われ、GICの国際研究交流拠点としての役割がさらに強化されたことが示されました。このセミナーをきっかけにした研究交流や共同研究が、持続可能な建築技術の発展に寄与することが期待されています。
岡山大学は、地域中核・特色ある研究大学として、持続可能な社会の構築に貢献していく所存です。今後も多様な研究活動を展開し、国際的な研究協力を進めることに注力していきます。地域や地球の未来を共創する岡山大学の取り組みに、ぜひご期待ください。