泉大津市と丹波市の農業連携の新たな一歩
兵庫県の泉大津市と丹波市は、令和7年12月16日に「農業を通じた連携による持続可能なまちづくり」を目指す協定を結びました。この協定は、農業を通じた地域振興や持続可能な農業の実現を目的としたものです。両市長は、この連携に期待を寄せており、その内容と意義を紹介します。
農業連携協定の概要
締結された農業連携協定には、以下の5つの主要な項目が含まれています。
1. 持続可能なまちづくりに向けた農業活動の連携
2. 有機農業の推進
3. 環境保全型農業の実現
4. 資源循環型農業の推進
5. 地域の交流人口の創出
これにより、泉大津市は、米などを安定的に確保しつつ、地域資源を最大限に活用して持続可能な農業を支援する姿勢を示しました。両市の取り組みが一つに結びつくことで、地域経済の活性化が図られます。
泉大津市の背景と目的
泉大津市は、令和5年3月、「安全・安心な食糧の安定的確保に関する構想」を策定し、農業連携を通じて食糧供給の安定化を目指してきました。この構想には、市民の健康増進や食糧危機への備えが含まれており、有機米などの安定供給が期待されています。
有機農業に関する関心が高まる中、泉大津市は丹波市と連携し、生産地と消費地の良好な関係を築かんとしています。
丹波市の有機農業と歴史
丹波市は、有機農業の推進に実績があり、約50年にわたり「有機の里づくり推進協議会」を中心に活動を行ってきました。2023年には兵庫県内初の「オーガニックビレッジ宣言」を行い、持続可能な農業活動が加速しています。この取り組みの中で、丹波市は公設民営の有機農業学校を設立し、新規就農者の受け入れや地域資源を利用した循環型農業を進めています。
具体的な取り組み
今回の連携によって、泉大津市の学校給食で丹波市産の有機JAS認証米や新鮮な有機野菜を使用することが検討されています。さらに、将来的には米以外の作物での連携や農業体験を提供し、関係人口の増加を図る計画も立てられています。これにより、両市は「食と農」を通じて持続可能な関係を築くことが狙いです。
市長からのメッセージ
泉大津市の南出賢一市長は、この協定によって、生産者と消費者が協力し、環境保全に配慮した農業の推進が期待されると述べました。また、丹波市の林時彦市長は、地域の農業が持続可能な発展に寄与し、双方が相互の強みを生かすことの重要性を強調しました。
おわりに
この協定は、ただの取り組みではなく、地域社会の未来を見据えた戦略的な施策です。泉大津市と丹波市は、この連携を通じて、持続可能な地域社会の構築を目指し、さらなる農業の発展に寄与することを誓います。今後の動きに期待が寄せられる中、この農業連携協定が地域の新たな価値を生む第一歩となることを願っています。