シェーカー家具の魅力を探る
シンプルで機能的なデザインが特徴のシェーカー家具は、18世紀末に生まれたスタイルで、現代の家具デザインにも大きな影響を与えてきました。近年、その魅力を知る人々が増え、愛好者も多くいるシェーカー家具ですが、新たに発表された書籍『シェーカー家具大全』によって、その背後にある歴史や製作技術が詳しく解説されています。
シェーカー教徒のものづくりの歴史
本書は、シェーカー教徒たちがどのように家具を作り出していたのか、年代ごとに解説しています。シェーカー家具は、無駄を排除し、機能性を重視したシンプルなフォルムが特徴です。これは、シェーカー教徒が信じる質素な生活様式を反映しており、その思想が形となった結果と言えるでしょう。
具体的な製作物の解説
さらに、椅子やオーバルボックスなど、代表的なシェーカー家具の製作物についても詳しく解説されています。特に、100年以上前に作られたロッキングアームチェアを分解し、その構造や工夫を探る試みは、作り手の立場から見た製作の巧妙さを浮き彫りにしています。
綿密な製作工程の説明
書中には、椅子やスタンド、オーバルボックスなどの製作工程を詳しく紹介するセクションもあり、特にエンフィールドチェア、ロッキングチェア、オーバルボックス、キャンドルスタンドなどが取り上げられています。具体的には、椅子などの製作を行う際の図面が6点も掲載され、視覚的に製作の流れを理解する手助けとなります。
シェーカー家具の源流と現代への影響
また、シェーカー家具が北欧デザインに及ぼした影響についても詳しく説明されています。椅子やテーブルの写真を交えながら、シェーカー家具がどのように発展し、現在のデザインに影響を与えているかを探求しています。
豊富な写真と図面
アメリカのシェーカーコミュニティー跡やミュージアムで撮影された写真も多く収められており、実物を交えた深い洞察が提供されています。これにより、シェーカー家具の魅力を視覚的に堪能することができます。
著者プロフィール
本書の共著者である宇納正幸は、シェーカー家具の製作者としてだけでなく、研究者としても活躍しています。白木克洋と西川栄明もそれぞれの専門性を活かし、本書を豊かな内容に仕上げています。各分野の専門家による共同制作は、シェーカー家具に対する深い理解を表現しています。
書籍情報
『シェーカー家具大全』は、B5判248ページで定価6600円(税込)。発売日は2024年9月6日であり、今後の家具デザインを学ぶ上でも非常に価値のある一冊となっています。興味のある方はぜひ手に取って、シェーカー家具の魅力を自ら体感してみてはいかがでしょうか。
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