愛知県碧南市での防災イベント
2024年9月29日、愛知県碧南市にある「ビレッジハウス西端」で、特にベトナム人入居者を対象とした防災イベントが開催されました。このイベントは、南海トラフ地震に備え、外国人住民への災害情報提供を目的としています。参加者の多くは日本に来てまだ日の浅いベトナムからの労働者で、安全な暮らしを送るための知識を学ぶことが期待されています。
防災士による講義と体験
イベントは、愛知県防災士会の防災士・大塚正寿さんによる講義から始まりました。大塚さんは、日本の地震事情や日頃の備え、緊急時の行動などについて詳しく説明しました。特に、地震が発生した際の初動対応や、避難時の重要な情報収集方法に焦点を当てました。講義は参加者の母国語で通訳され、理解を深めるための資料も配布されました。
その後の実技演習では、毛布を用いてけが人を搬送する方法や、消火器の取り扱いについて実体験しました。また、参加者同士で非常持出袋に何を入れるべきかを考えるワークショップも行われ、実際にアイテムカードを使用してディスカッションが盛り上がりました。このような体験を通じて、入居者たちの防災に対する意識は確実に高まっています。
参加者の感想
イベントに参加したベトナム人たちからは、真剣に取り組んだ様子がうかがえました。30代女性参加者は「ベトナムには地震がないため、日本に来ての不安が大きかった。今回の経験で、自分でもできる準備や対策がわかって良かった」と述べました。また20代男性参加者は「実際に体験することで、災害時にどう行動すべきかを理解できた」と話します。これらの声は、イベントの意義を強く示すものでした。
今後の取り組み
防災士の大塚さんは「参加者に自助の重要性を理解してもらい、今後は地域との連携がキーになってくる」と指摘します。今後、地域住民とのコミュニケーションを深めながら、共に災害に対応する力を育てる必要性が強調されました。
イベントの開催にあたり、ビレッジハウス・マネジメント株式会社は低廉な家賃で質の高い住宅を提供しており、入居者の安全で安心な生活を支援するために、このような活動を行っています。今後も、外国人入居者向けの防災イベントを他地域でも展開予定で、2024年には三重県四日市市と栃木県益子町でもコミュニティイベントが開催される予定です。
この防災イベントは、単に知識を得るだけでなく、参加者同士が交流し、共生の意識を高める貴重な機会となりました。これからも、様々な施策を通じて地域社会全体の防災意識が高まっていくことを期待しています。