マイクロ波技術による太陽光パネルリサイクルの新たな挑戦
マイクロ波技術による太陽光パネルリサイクルの新たな挑戦
再生可能エネルギーの利用が進む中で、使用済み太陽光パネルのリサイクル問題が深刻化しています。TREホールディングス株式会社の連結子会社である株式会社タケエイと、マイクロ波化学株式会社が新たに始める実証事業は、この課題に立ち向かう重要な一歩となります。
使用済み太陽光パネルの現状
環境省と経済産業省による推計では、2030年代半ばに使用済みの太陽光パネルが年間20万トン以上、2040年以降には最大50万トンに達する可能性があるとされています。これに対処するためには、太陽光パネルのカバーガラスを水平にマテリアルリサイクルし、輸入に依存しない国内での循環資源とすることが肝要です。ただし、リサイクルの工程でCO2排出量を抑制することも重要なポイントです。
特に、やっかいなのがリサイクル過程でのEVA樹脂の存在です。この樹脂がガラスに付着すると、リサイクルの品質が安定しません。そのため、EVA樹脂を効率的に除去する技術が必要とされています。
新たなリサイクル技術の実証
今回、タケエイとマイクロ波化学は、小型分散処理の導入を想定し、マイクロ波を利用したEVA樹脂除去技術の開発及び実証試験を進めます。マイクロ波は対象物を直接加熱することができ、エネルギーの無駄を抑えつつ、EVA樹脂を効率的に除去することが期待されています。
この技術により、リサイクル工程全体のCO2排出量を大幅に削減できる見込みです。また、設置場所の柔軟性が高いため、輸送時のコストやCO2排出量の低減にも寄与します。
環境課題に挑む企業の姿勢
この事業を通じて、両社は使用済み太陽光パネルの大量廃棄問題に立ち向かっています。新しい技術の開発は、環境やエネルギー分野において革新的なビジネスモデルを創出する道にも繋がります。
この取り組みが成功すれば、業界全体に大きな影響を及ぼし、より持続可能な社会の実現に向けた鍵となることでしょう。これからの展開に注目が集まります。
引き続き、両社は環境問題に対する解決策を模索し、エネルギーの未来を見据えた取り組みを進めていくとしています。
会社情報
- 会社名
-
マイクロ波化学株式会社
- 住所
- 大阪府吹田市山田丘2-1フォトニクスセンター5階
- 電話番号
-
06-6170-7595