26卒就活動向調査：新卒採用の早期化と安定志向の高まりについて

26卒就活動向調査：新卒採用市場の変化とその影響

2025年6月から7月にかけて、株式会社RECCOOが行った「26卒就活総振り返りレポート」によると、2026年卒業予定の大学生からのアンケート結果が発表されました。本調査は、売り手市場が続く新卒採用の中で、学生たちがどのように就職活動を進め、企業を選び、内定に至っているのかを考察したものです。コロナウイルスの影響から徐々に回復しつつある就職市場において、学生の就活動向がどのように変化しているのかを探ります。

就活の早期化

調査によると、大学2年の3月以前から就職活動を開始する学生が前年比で10％増加しました。これは、より早くから企業との接点を持つ「超早期型採用」が進行していることを示しています。年内にエントリーを始める学生も増え、可視化される就活活動の早期化が見て取れます。これに伴い、企業も早期の説明会やインターンシップの開催が求められるようになっています。

安定志向の顕在化

入社先を選ぶ基準として、「福利厚生が整っている」「年収が高い」といった安定に関連する要素が上位にランクインしました。特に、旧帝大や早慶上智といったトップ大学の学生の間では、年収の高さが最も重視される傾向があります。一方で、仕事の魅力も考慮されており、社員の魅力やワークライフバランスも重要視されていることが全体的な傾向として浮かび上がっています。

内定承諾後の辞退

調査では、内定を受けた約30％の学生が内定承諾後にその辞退を経験していることがわかりました。この結果は、学生たちの間に内定辞退に対する抵抗感が存在する一方で、スケジュールの重複や選択肢の保持のために実際に辞退せざるを得ない場合が増えていることを示しています。これは、企業側も内定承諾後のフォローを強化する必要性を示すものでしょう。

非志望企業の選考参加

さらに、約9割の学生が非志望企業の選考にも参加しており、その中の半数が選考後に志望度が上昇したと回答しています。これは、知名度の低い企業でも、早期選考や丁寧なフィードバックによって学生の興味を引ける可能性を示唆しています。企業の選考プロセスが企業理解を深める場となるように設計されることが求められています。

今後の採用戦略への提言

RECCOOの調査結果を踏まえ、企業に対するいくつかの提言がなされています。まず、大学2年生段階からの接点設計が重要です。早期化した就活に対応するために、企業は学生とのフラットな接点を持ち、認知度を高める施策を実施する必要があります。また、年収や魅力的な社員の紹介を通じて、入社意欲を高めることもお勧めします。

内定辞退率の高さを反映し、内定者へのフォローの重要性も指摘されています。このように、企業は採用開始のタイミングや接点の質を高め、学生との初期接点を強化することが成功の鍵となります。

まとめ

このように、2026年卒業予定の学生が進む就職活動は以前にも増して早期化しており、安定と共感を求める傾向が強まっています。企業にとっては、これまで以上にタイミングを逃さず、質の高い接触を通じて学生を惹きつける戦略が不可欠です。今後の採用に向けて、企業は新しいアプローチを考える必要があると言えるでしょう。