ニチコン初の商用EV向け急速充電器発表、業界の未来を切り開く

ニチコンの新たな挑戦 - サイクリックマルチ充電器

ニチコン株式会社がこのたび発表した「サイクリックマルチ充電器」は、商用電気自動車（EV）専用の革新的な急速充電器です。この製品は、運輸事業者が所有する複数の商用EVをスマートに高速充電することを目的としています。2025年7月の発売を目指し、2月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催される「SMART GRID EXPO 春第17回国際スマートグリッド展」にて披露されます。

開発の背景と意義

近年、カーボンニュートラルを目指す世界的な動きが高まってきました。日本の運輸業界もこの潮流に乗り、電気自動車の導入を促進しています。特に、バスやトラックなどの商用車に関しては、2030年までに電動車の新車販売比率を20〜30%に引き上げ、2040年にはすべての商用車を電動化する目標を掲げているのです。

しかし、商用EVの普及には充電インフラの整備が欠かせません。ニチコンは、運輸事業者が直面する充電器の導入費用や設置スペースといった課題解決のために、業界初の「サイクリックマルチ充電器」を開発しました。これにより、効率的かつ経済的に多台数の商用EVへの充電を実現できることでしょう。

特徴と利便性

1. 複数台の高出力サイクリック充電

新しい充電方式であるサイクリック充電によって、最大90kWで最大6台のEVへ効率よく充電が可能になります。これにより、充電器の能力が最大限に活かされます。

2. ピーク電力の抑制

従来の充電器は、同時に複数のEVを充電する際には大規模な受電設備が必要でしたが、新製品ではピーク電力を抑え、電気基本料金を削減できます。

3. 高い設置自由度

セパレート構造により設置課題を解決。スリムなデザインのディスペンサーは駐車スペースを効率よく活用でき、騒音問題にも配慮されています。

4. 充電管理の向上

CMC用サーバを利用し、複数のEVの充電を一元管理。スマートフォンやPCを通じて充電状態を確認できるため、利便性が大幅に向上します。

今後の展開

ニチコンは「サイクリックマルチ充電器」に加え、V2Hシステムや家庭用蓄電システムなど、様々な電気関連製品を展開しています。企業と個人向けの豊富なラインアップにより、将来の持続可能な社会に貢献することを目指しています。

運輸業界におけるEV導入拡大への取り組みに、ニチコンの新しい充電器が貢献することでしょう。期待される効果やビジョンについて、今後の動向に目が離せません。