新たなスーパーコンピュータ「ROQUO」の運用が開始
2023年6月、理化学研究所が主導し、株式会社DTSが中心となって構築した新しいスーパーコンピュータ「ROQUO」が正式に運用を開始しました。これは、量子コンピューティングと高性能計算(HPC)を融合させ、科学技術の発展を加速することを目的としています。
「ROQUO」は、「JHPC-quantum」プロジェクトの一環として設計され、NVIDIA社の最新のGrace Blackwellプラットフォーム「GB200 NVL4」を採用していることが特徴です。このシステムは、GPUを用いた計算性能が高く、特に科学技術計算アプリケーションに向けた設計がなされています。より具体的には、1ノードあたり2基のNVIDIA Grace CPUと4基のNVIDIA Blackwell GPUを組み合わせることで、効率的な運用が可能な設計となっています。
プロジェクトチームの構成
DTSは、機器調達、設置、運用までをカバーする専門チームを結成しており、そこでの高い専門性が本プロジェクトの成功を支えています。特に、神戸市に位置する理研計算科学研究センター(R-CCS)の要求仕様に基づいており、そのニーズに応じた最適なシステム構築が行われました。今回の構築には、デジタルテクノロジー株式会社や株式会社ScaleWorX、台湾のGIGA Computing Technologyを含む合同チームが実施しています。
高速ネットワーク技術の導入
「ROQUO」では、日本国内初となるNVIDIAの高速ネットワーク技術「InfiniBand XDR 800」を導入しております。これにより、ノード間での通信が低遅延かつ広帯域で行えるようになり、量子HPC連携プラットフォームに必要な性能を備えています。さらに、運用準備の際にはHigh Performance Linpack(HPL)ベンチマークが行われ、倍精度浮動小数点演算(FP64)での性能測定の結果、19.8ペタフロップス(PFLOPS)という数値を達成しました。
環境に配慮した冷却システム
冷却システムにも工夫が凝らされており、温水冷却サーバを使用することで、外気を利用した「フリークーリング」技術を採用しています。これにより、神戸市の夏でも自然の力を利用して冷却できる32℃の水を使用し、電力使用を約20%も削減することが可能です。これらの環境配慮型システムは、今後のスーパーコンピュータ運用においても標準となる可能性があります。
「ROQUO」の命名由来
「ROQUO」という名称は、神戸市を象徴する六甲山(ろっこうさん)に由来しており、前面パネルは六甲山から見た神戸市の美しい夜景をデザインしています。このデザインには、プロジェクトに携わった企業のロゴも掲載されています。
JHPC-quantumプロジェクト
この運用は、NEDOが委託した「計算可能領域の開拓のための量子・スパコン連携プラットフォームの研究開発」に基づいて行われています。このプロジェクトは、理化学研究所の計算科学研究センターが中心となり、量子HPCの基盤を強化することを目的としています。
「ROQUO」は、今後も科学技術の発展に寄与する重要な役割を担っていくことでしょう。核となる技術が進化を続ける中、DTSは新たな価値を創造し、未来のデジタル社会を切り開く先駆けとなります。