損保ジャパンとウェザーニューズ、雹災軽減に向けた実証実験を開始

雹災軽減のための新たな取り組み

損害保険ジャパン（以下、損保ジャパン）と株式会社ウェザーニューズ（以下、ウェザーニューズ）が共同で、降雹による自動車や店舗の被害を減少させるための実証実験を実施することを発表しました。最近、特に北関東地域で降雹による大規模な損害が増加しており、また兵庫県では今後の降雹により大きな影響が出ることが予想されています。このような背景から、全国的に雹災対策が求められています。

実証実験の目的と方法

この実証実験の主な目的は、降雹による被害を可能な限り早期に回避するためのアプローチを探ることです。特に自動車業界では、雹によって修理依頼が急増し、納車予定の車両に影響が出ることが問題になっています。実験では、自動車ディーラーや損保ジャパンの営業店を対象に、2024年の9月から11月までの3ヶ月間行われます。

ウェザーニューズが提供する「ウェザーニュース for business」という気象情報サービスを活用し、スマートフォンに降雹の危険を知らせるプッシュ通知を送信します。これにより、降雹のリスクが高まる30分から3時間前に、ユーザーが早めに対応できるようサポートします。たとえば、屋外に駐車されている自動車を屋内に移動させるなどの行動が促されます。また、降雹のリスクを最大36時間前から確認できる機能も用意されており、事前に対策を考えることが可能になります。

さらに、台風や落雷接近時のアラートも通知されることで、他の自然災害からの被害軽減にも役立てられる仕組みが整えられています。

今後の展開

この実証実験の成果を踏まえ、今後は自動車ディーラーに限らず、広範囲な法人や一般消費者を対象にした自然災害アラートサービスの展開も検討されています。また、損保ジャパンの保険金支払データを利用することで、降雹の予測精度を向上させる可能性もあります。

ウェザーニューズは1986年に設立されて以来、気象情報の提供を通じて、様々な業界にリアルタイムな情報を提供してきました。これにより、企業の安全対策や効率的な業務運営の支援を行っています。損保ジャパンとのパートナーシップにより、持続可能な社会の実現に向けた新たなサービスの提供が期待されます。

この実証実験が成功すれば、今後の災害対策においても他の業界に波及効果をもたらすことが期待されています。より多くの人々が自然災害から守られる、そんな未来が現実のものとなるかもしれません。